1965年
国鉄にはテスト生上がりの有望株が多いが、大型バッターといわれる赤木のほかに、異色の本格派の右腕投手がいる。昨年秋のテストで、初めて硬球を握って合格したという竹田晃投手がそれ。一メートル八十三と図抜けた長身から思いきって投げ込む速球は、かなりのスピード。しかし、目下のところは大荒れで、竹田の相手をするキャッチャー連は「ヒーヒー」いってタマにとびついてばかりいる。このため大倉山の雨天ブルペンのトタンはドスン、ドスンぶっつけられて、かなりの被害をこうむった。そんな投げっぷりのよい竹田に対する首脳陣の評価は高い。「ゴムのボールから転向したばかりだから、荒れるのは仕方がない。体力あり、あれだけのスピードがあるんだから、鍛えようによっては面白いゾ」と、林監督も楽しみにしている。
中学は静岡だが、父親の竜一さん(四八)の勤める印刷工場の関係で東京に移ってきた。姉が二人の三人姉弟の末っ子である。おもしろいのは、国鉄のテストを受ける前に、東京オリオンズのテストで落っこちていること。山内(阪神)が大毎(東京)のテストを受けるまえに中日ですべり、吉田(阪神)も阪急ではねられた例がある。こうした過去の例から見て、「大物」になるかも知れないというわけだ。「目標は三年目で一軍にはいって投げること。それまでの二年間は、みっちりファームでピッチングをおぼえたいです。だから差し当たって、イースタンのマウンドが踏めるように一日も早くなりたいですネ。同じ軟式出身の土橋(東映)さんのような本格的なピッチャーになるのがボクの最大の夢です」と張り切っている。こういう竹田の希望どおり、三年目で神宮のマウンドが踏めるかどうかは疑問としても、そのやる気と、一度落とされたテストに再挑戦して、見事にパスした根性は買えそう。昨年の新人王になった高橋重も、入団した三十八年のキャンプではノーコン・シゲという異名をつけられていた。竹田もいまノーコンピッチャーといわれて、湯之元ではマシンより始末が悪いとキャッチャー連をヒーヒーいわしているが、、イースタンの開幕までにピッチャーになるかどうか楽しみな新人として注目したい。
国鉄にはテスト生上がりの有望株が多いが、大型バッターといわれる赤木のほかに、異色の本格派の右腕投手がいる。昨年秋のテストで、初めて硬球を握って合格したという竹田晃投手がそれ。一メートル八十三と図抜けた長身から思いきって投げ込む速球は、かなりのスピード。しかし、目下のところは大荒れで、竹田の相手をするキャッチャー連は「ヒーヒー」いってタマにとびついてばかりいる。このため大倉山の雨天ブルペンのトタンはドスン、ドスンぶっつけられて、かなりの被害をこうむった。そんな投げっぷりのよい竹田に対する首脳陣の評価は高い。「ゴムのボールから転向したばかりだから、荒れるのは仕方がない。体力あり、あれだけのスピードがあるんだから、鍛えようによっては面白いゾ」と、林監督も楽しみにしている。
中学は静岡だが、父親の竜一さん(四八)の勤める印刷工場の関係で東京に移ってきた。姉が二人の三人姉弟の末っ子である。おもしろいのは、国鉄のテストを受ける前に、東京オリオンズのテストで落っこちていること。山内(阪神)が大毎(東京)のテストを受けるまえに中日ですべり、吉田(阪神)も阪急ではねられた例がある。こうした過去の例から見て、「大物」になるかも知れないというわけだ。「目標は三年目で一軍にはいって投げること。それまでの二年間は、みっちりファームでピッチングをおぼえたいです。だから差し当たって、イースタンのマウンドが踏めるように一日も早くなりたいですネ。同じ軟式出身の土橋(東映)さんのような本格的なピッチャーになるのがボクの最大の夢です」と張り切っている。こういう竹田の希望どおり、三年目で神宮のマウンドが踏めるかどうかは疑問としても、そのやる気と、一度落とされたテストに再挑戦して、見事にパスした根性は買えそう。昨年の新人王になった高橋重も、入団した三十八年のキャンプではノーコン・シゲという異名をつけられていた。竹田もいまノーコンピッチャーといわれて、湯之元ではマシンより始末が悪いとキャッチャー連をヒーヒーいわしているが、、イースタンの開幕までにピッチャーになるかどうか楽しみな新人として注目したい。