プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

渋谷誠司、妻島芳郎

2019-11-04 16:22:28 | 日記
1961年

日本通運の両エース妻島、渋谷がプロ入りした。日通からプロ入りした堀本(巨人)が大活躍しているだけに二人への期待は大きい。妻島、渋谷の意気込みは…。

妻島「シブ(渋谷のこと)その後ケガのほうはどうだ」といって渋谷のほうをのぞき込む。十月下旬(二十三日)に都市対抗出場に備えての練習中に渋谷がライナーを左ヒジに受けて負傷したことを心配しているのだ」
渋谷「どうも…。ぐんぐんよくなっています」にっこり笑って二人の話ははずんだ。
妻島「プロから話があったときはどんな気がした」
渋谷「…」(ただニヤニヤ笑うだけ)
妻島「ぼくは将来なんとかプロで投げられるような投手になりたいと思っていたんだ。ことしでノンプロは五年目だし、最後のチャンスだという気持ちはあった。だから話があったとき割り合いスムーズにプロ入りにふみ切れたんだが…。シブの場合は、ちょっと違うんじゃないかい」
渋谷「そうですね。プロでやって見たいという気持ちは、妻島さんのように持っていました。しかし、まだ先のことで、みっちり腕をみがいて自信がついてからと思っていたんです。ところが野球部(日本通運)が活動停止になったので、予定が狂って…。妻島さん、大毎のトレーニングに参加しているんでしょう。どんなぐあいですか」
妻島「ものすごいぞ。日通のトレーニングなどくらべものにならんぞ。(笑いながら)これは冗談。いまのトレーニングはそれほどでもないし、変わったことも別にない。しかし、来年にはいってからトレーニング・キャンプと進むにつれてきっとすごくしぼられるだろうな。それにそばでみると、みんなからだがいい」
渋谷「からだの大きな選手が力いっぱいのプレーをするのだから力強さとスピードがあるわけですね」
妻島「投手としたら稲尾さん(西鉄)のように迫力のあるピッチングがやりたいが、これは体格の点でも、まだ球威でも全然かなわないからダメだな。堀本さん(巨人)のように相手の心理を読んだピッチングを目標にしたいと思う」
渋谷「ウチ(国鉄)には、ちょうどサウスポーで金田さんというこの上ない目標がありますからね。金田さんのいい面をどんどんとり入れて追い抜けば日本一のサウスポーになれるでしょう」
妻島「まずコントロールをつけることだ。ノンプロではどうやら通用したけど、プロでは高目にいったら長打されることは絶対に間違いないからね」
渋谷「ぼくの場合はコントロールはもちろんですが、まず球そのものの威力をつけることです。すべてはそれから…」
妻島「ともかく、このオフ・シーズンはいつもと違うんだからみっちりランニングをやるつもりだ」
渋谷「妻島さんは走れるからうらやましい。ぼくはまずヒザを完全に直してからでなくては走れませんからね」
いま渋谷は杉本遊撃手(国鉄)とともに湯河原温泉で治療をつづけている。

【妻島】まだこれといったニックネームをつけられたことはありません。妻島の顔をとってツマと呼ばれたぐらいです。洋画ならなんでもみます。音楽は陽気なジャズが好きです。
【渋谷】映画ならどんなものでも…。弘前からこちら(浦和)に転勤になったばかりのときは、手あたり次第にみました。最近はあまりみませんが…。略してシブと呼ばれることが多い。
【妻島】1㍍78、70㌔、右投右打、昭和十三年十月九日生まれ、東京都中野区朝日ヶ丘二二。
【渋谷】1㍍80、72㌔、左投左打、昭和十四年四月二十四日生まれ、弘前市新寺町三四。
コメント
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