プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

ボブ・マクドナルド

2019-11-23 22:59:05 | 日記
1997年

わずか7試合の出場で退団してしまったグリーンウェル。阪神に限らず日本の球団は、すぐに新戦力を外国人選手に求めようとするが、どうも最近の阪神は外国人選手運が悪いようだ。入団テストを受けるためにやってきたボブ・マクドナルド投手(元メッツ)も、満場一致で採用されるには、かなりの力不足であるのは否めない。12日に初練習を行ったマクドナルドは、時差ボケもあって午前5時に起床テスト生という気負いも手伝って、西宮市の鳴尾浜球場には予定の正午より30分も早く姿を見せた。早速、ダッシュやキャッチボールで体をほぐすと迷わずブルペンに足を向けた。マクドナルドは左腕のスリークォーター。しかし190㌢の長身から投げ下ろすため、角度はなかなか鋭く、ナチュラルに変化するストレートに加え、カーブ、落ちるスライダー、さらにチェンジアップと多彩な球種を披露した。メジャー通算6年で8勝9敗3セーブという実績はさほどではないが、2度プレーオフを経験しているなど、日本での活躍を期待できるキャリアは持っている。「時差ボケはある。でも調子は悪くないし、初日にしては思ったより投げられた」と本人もまずまずの手応えを感じていた。そして、吉田監督らのチーム首脳が立ち会ってのテストは15、16日に行われた。「なんとか投手陣を強化したい」と祈るような気持ちの首脳陣の前で、マクドナルドは58球を投じた。本人の意欲はわかるのだが、下半身をあまり使わない、上体だけのいかにも外国人らしいフォームから繰り出されたボールのMAXスピードはわずかに135㌔。「140㌔は出ると聞いていたのに…。抑えじゃ厳しいかな」と一枝ヘッドコーチも期待外れの表情は隠せない。翌日のテストでも、MAVスピードを2㌔上乗せしてみたが、それでも137㌔では説得力に欠けている。ヒジの使い方に独特のものがあり、コントロールはよく、打者がタイミングが取りにくそうだが、迫力に欠けるのは確か。吉田監督も「現場だけで(採否を)決められる問題ではない」と言葉をにごし、気乗り薄の様子。「合格」となっても、G砲のように高額な年棒は必要ないが、「活躍もそれほど期待できない」というのが首脳陣の正直な評価だろう。
コメント
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