1998年
結果はコントロール次第。上から斜めから横からの幻惑投法の技巧派にチームは期待。大リーグ通算は4勝1敗0S、防7.48。
福岡ダイエーは十日、米大リーグのサンディエゴ・パドレス3Aのライアン・ハンコック投手(26)を獲得したと発表した。ハンコックはエンゼルス時代にメジャーの実績がある右腕。ダイエーの新外国人選手は、元広島のロペス内野手、トンプソン外野手とウィリアムズ投手とハンコックの四人で今季を戦うことになった。ハンコックは1993年にドラフト2位でエンゼルスに入団。96年に初めてメジャーに昇格。11試合に登板(先発4試合)4勝1敗、防御率7.48の成績を残した。現在はサンフランシスコで自主トレ中で、来日予定は明らかではないが、キャンプには合流する予定だ。王監督は「コントロールがいい投手という印象を持っている。先発として考えている」と最大の課題である弱投返上に期待を寄せている。
こりゃ、ダメだ。目を覆ったのはベンチの首脳陣ばかりではなかっただろう。球が遅いうえに四球、四球、そして一発…。王監督期待の新外国人ハンコックが、初登板にして早々と「抑え失格」のらく印を押されてしまった。上から斜めから、横からも投げる変幻投法。確かにタイミングは取りづらそうだが、ストライクが入らないのでは意味がない。しかも速球のMAXは135㌔、失意の王監督が「あの球速だと抑えは難しい。先発で5、6回を2、3点に・・・というピッチャーだろうね」とため息をついたのも当然だった。初回、いきなり飯田、度会に連続四球を与えると、続くホージーに右前打され先制点を献上。二回には池山にカウントを取りにいった球を軽々と左翼席に運ばれた。何とか三回こそ三人で片付けたものの、3回で68球、2安打、4四球の2失点とはいただけない。「緊張したんだよ。僕は常にストライクが先行するタイプ。四球だって1試合に2、3個しか出さないんだ。本当だよ」報道陣に懸命に訴えたハンコックだったが、その声はむなしかった。とりあえず王監督は「あと二、三度投げさせてみる」と再度チャンスを与える方針だが、古賀ヘッドコーチは「抑え?無理だね。先発という感じだろうけど、こっちも候補が多いから…」と困り果てた様子だ。王監督は岡本、佐久本の二人に「外国人のどちらか」を加えたトリプルストッパー構想を描いていたが、これが早くも大ピンチ。八日の巨人戦(福岡ドーム)で先発したウィリアムスを抑えに回すのか、あるいは「第五の外国人」を探すのか。ハンコックのメロメロ投が与える影響は大きそうだ。
二番手のハンコックも続く。二度目の登板で制球難を露呈し、開幕一軍は風前のともしびとみえたが、この日は「千手観音投法」全開。六回には横手からの速球で土橋を見逃し三振にとるなど、2回を1安打、4奪三振の無四球無失点と、別人のような投球を見せた。「リラックスして投げられた。制球も良くなっている。横からもいい所に決められたね」ハンコックは落ち着いていた。「古賀コーチから「もっとアグレッシブになれ」とアドバイスを受けたのが良かったよ」二十五日にはコーリー夫人が来日する予定。十月には初の子供も生まれる。張り合いが出てきた。古賀ヘッドコーチも「実力があるからメジャーにいたんだ。ハンコックはサイドがいい。右打者には、もっと横から投げてもいいな」とホッとしていた。あとは起用法「先発でいきたい」(ウィリアムズ)「監督が決めること」(ハンコック)と対照的だが、二人がこの日の投球を常時できればタカ投は充実する。
結果はコントロール次第。上から斜めから横からの幻惑投法の技巧派にチームは期待。大リーグ通算は4勝1敗0S、防7.48。
福岡ダイエーは十日、米大リーグのサンディエゴ・パドレス3Aのライアン・ハンコック投手(26)を獲得したと発表した。ハンコックはエンゼルス時代にメジャーの実績がある右腕。ダイエーの新外国人選手は、元広島のロペス内野手、トンプソン外野手とウィリアムズ投手とハンコックの四人で今季を戦うことになった。ハンコックは1993年にドラフト2位でエンゼルスに入団。96年に初めてメジャーに昇格。11試合に登板(先発4試合)4勝1敗、防御率7.48の成績を残した。現在はサンフランシスコで自主トレ中で、来日予定は明らかではないが、キャンプには合流する予定だ。王監督は「コントロールがいい投手という印象を持っている。先発として考えている」と最大の課題である弱投返上に期待を寄せている。
こりゃ、ダメだ。目を覆ったのはベンチの首脳陣ばかりではなかっただろう。球が遅いうえに四球、四球、そして一発…。王監督期待の新外国人ハンコックが、初登板にして早々と「抑え失格」のらく印を押されてしまった。上から斜めから、横からも投げる変幻投法。確かにタイミングは取りづらそうだが、ストライクが入らないのでは意味がない。しかも速球のMAXは135㌔、失意の王監督が「あの球速だと抑えは難しい。先発で5、6回を2、3点に・・・というピッチャーだろうね」とため息をついたのも当然だった。初回、いきなり飯田、度会に連続四球を与えると、続くホージーに右前打され先制点を献上。二回には池山にカウントを取りにいった球を軽々と左翼席に運ばれた。何とか三回こそ三人で片付けたものの、3回で68球、2安打、4四球の2失点とはいただけない。「緊張したんだよ。僕は常にストライクが先行するタイプ。四球だって1試合に2、3個しか出さないんだ。本当だよ」報道陣に懸命に訴えたハンコックだったが、その声はむなしかった。とりあえず王監督は「あと二、三度投げさせてみる」と再度チャンスを与える方針だが、古賀ヘッドコーチは「抑え?無理だね。先発という感じだろうけど、こっちも候補が多いから…」と困り果てた様子だ。王監督は岡本、佐久本の二人に「外国人のどちらか」を加えたトリプルストッパー構想を描いていたが、これが早くも大ピンチ。八日の巨人戦(福岡ドーム)で先発したウィリアムスを抑えに回すのか、あるいは「第五の外国人」を探すのか。ハンコックのメロメロ投が与える影響は大きそうだ。
二番手のハンコックも続く。二度目の登板で制球難を露呈し、開幕一軍は風前のともしびとみえたが、この日は「千手観音投法」全開。六回には横手からの速球で土橋を見逃し三振にとるなど、2回を1安打、4奪三振の無四球無失点と、別人のような投球を見せた。「リラックスして投げられた。制球も良くなっている。横からもいい所に決められたね」ハンコックは落ち着いていた。「古賀コーチから「もっとアグレッシブになれ」とアドバイスを受けたのが良かったよ」二十五日にはコーリー夫人が来日する予定。十月には初の子供も生まれる。張り合いが出てきた。古賀ヘッドコーチも「実力があるからメジャーにいたんだ。ハンコックはサイドがいい。右打者には、もっと横から投げてもいいな」とホッとしていた。あとは起用法「先発でいきたい」(ウィリアムズ)「監督が決めること」(ハンコック)と対照的だが、二人がこの日の投球を常時できればタカ投は充実する。