1953年
広島カープは二十一日、次の十選手と契約を結んだと発表した。内訳は投手七(右四、左二)捕手一、内野手二名である。
渡部俊治選手 十九歳、西条高卒、投手、右投右打、五尺七寸五分、十七貫、テスト試験に集った六十余名の中では一頭地を抜いていた。彼一人を見出しただけでもテストをやった甲斐はあったと、白石監督を喜ばせた。硬球を握ったのはテストの日がはじめてで上手投、下手投のいずれも出来るし、独特の握り方をするカーブもすばらしい。身体が柔らかく新人中では一番早く晴れのマウンドを踏むようになると思われる。
桧垣忠選手 十九歳、呉市横路中学校卒、広メッキ工業所勤務、投手、左投左打、五尺八寸十七貫五百、カープのテスト試験に合格した、中学校時代は外野と一塁手をやっていた、卒業後、地元の軟式野球チームイーグルスに入って投手、呉市の軟式野球大会では五、六回優勝しているが、今年の国体予選では決勝で県土木と対戦6-5、また全日本軟式野球の県予選でも決勝で県復興に1-0でいずれも惜敗して、檜舞台をふむことは出来なかった。テストの日にはじめて硬球を握ったが柚木ばりの美しいフォームから投げ下す速球は、左投手独特のシュートを伴って注目を引いた、毎朝約四㌔を走るなど体力の要請に余念がない。
緋本祥好選手 十八歳、西宮高、投手、一塁手、右投右打、五尺八寸七分、十八貫五百、ことしになっての十六試合に三割一分三厘の好打率をあげ、四番打者の重責を果たした、投手としてはスピードはあるが、カーブはマスターするところまでいっていない、上背に恵まれているところから大沢の後継者・一塁手として打棒の威力を買われたもの、眼鏡をかけているのが惜しまれるが、満々のファイトがこの欠を補うであろう。
山本通夫選手 十八歳、岡山東高、一塁手、右投右打、五尺七寸三分、十八貫五百、がっちりした体格から放つ長打は超高校級である、一塁手は彼のほかにも緋本がいるので、白石監督は、場合によっては山本を遊撃に仕込む意図もあるようだ、彼がこの難関に活路を開くとすれば、スケールの大きいプレーヤーとして注目されることになろう。
管田薫選手 十八歳、津山工高、投手、右投右打、五尺八寸、十九貫九百、石元監督が早くから眼をつけていただけあって、投手としてはスピードはもちろんシュート、シンカー、スライダーなど豊富な変化球を持っており、コントロールもある、西鉄の新人有望投手西村をもっと身体を柔らかくしたようで、将来の沢村ですよとその素質を買っている人もある両親も大の野球ファンという恵まれた家庭に育っており、期待にそむかなければその登板の日も早そうだ。
梶原寿美生選手 十八歳、赤穂高、捕手、右投右打、五尺八寸、十九貫、小学校以来一貫して捕手、強肩で門前に似たところもあるが、足は門前より大分早いとは某推薦者の弁、打っても四番打者として健棒をふるった。好投手に恵まれず、洲本に4-2芦屋に6-2で負けているが、素晴らしい体格は大成を期待されている。
森内勝己選手 十八歳、大竹高、投手、左投左打、五尺六寸、十六貫五百、投手としてはまだ未完成だが、打力もよく、これから伸びる選手。
保手浜清利選手 十七歳、忠海高、内野手、十九貫、遊撃手としては荒削りだが、その打力はすばらしく、テスト試験でその強打を買われたもの。
石川喜理選手 十八歳、出雲産業高、投手、左投左打、五尺七寸、十七貫、山陰地方随一の好投手。
永田徹登選手 十八歳、松本商高、投手、右投右打、五尺五寸、十六貫。
広島カープは二十一日、次の十選手と契約を結んだと発表した。内訳は投手七(右四、左二)捕手一、内野手二名である。
渡部俊治選手 十九歳、西条高卒、投手、右投右打、五尺七寸五分、十七貫、テスト試験に集った六十余名の中では一頭地を抜いていた。彼一人を見出しただけでもテストをやった甲斐はあったと、白石監督を喜ばせた。硬球を握ったのはテストの日がはじめてで上手投、下手投のいずれも出来るし、独特の握り方をするカーブもすばらしい。身体が柔らかく新人中では一番早く晴れのマウンドを踏むようになると思われる。
桧垣忠選手 十九歳、呉市横路中学校卒、広メッキ工業所勤務、投手、左投左打、五尺八寸十七貫五百、カープのテスト試験に合格した、中学校時代は外野と一塁手をやっていた、卒業後、地元の軟式野球チームイーグルスに入って投手、呉市の軟式野球大会では五、六回優勝しているが、今年の国体予選では決勝で県土木と対戦6-5、また全日本軟式野球の県予選でも決勝で県復興に1-0でいずれも惜敗して、檜舞台をふむことは出来なかった。テストの日にはじめて硬球を握ったが柚木ばりの美しいフォームから投げ下す速球は、左投手独特のシュートを伴って注目を引いた、毎朝約四㌔を走るなど体力の要請に余念がない。
緋本祥好選手 十八歳、西宮高、投手、一塁手、右投右打、五尺八寸七分、十八貫五百、ことしになっての十六試合に三割一分三厘の好打率をあげ、四番打者の重責を果たした、投手としてはスピードはあるが、カーブはマスターするところまでいっていない、上背に恵まれているところから大沢の後継者・一塁手として打棒の威力を買われたもの、眼鏡をかけているのが惜しまれるが、満々のファイトがこの欠を補うであろう。
山本通夫選手 十八歳、岡山東高、一塁手、右投右打、五尺七寸三分、十八貫五百、がっちりした体格から放つ長打は超高校級である、一塁手は彼のほかにも緋本がいるので、白石監督は、場合によっては山本を遊撃に仕込む意図もあるようだ、彼がこの難関に活路を開くとすれば、スケールの大きいプレーヤーとして注目されることになろう。
管田薫選手 十八歳、津山工高、投手、右投右打、五尺八寸、十九貫九百、石元監督が早くから眼をつけていただけあって、投手としてはスピードはもちろんシュート、シンカー、スライダーなど豊富な変化球を持っており、コントロールもある、西鉄の新人有望投手西村をもっと身体を柔らかくしたようで、将来の沢村ですよとその素質を買っている人もある両親も大の野球ファンという恵まれた家庭に育っており、期待にそむかなければその登板の日も早そうだ。
梶原寿美生選手 十八歳、赤穂高、捕手、右投右打、五尺八寸、十九貫、小学校以来一貫して捕手、強肩で門前に似たところもあるが、足は門前より大分早いとは某推薦者の弁、打っても四番打者として健棒をふるった。好投手に恵まれず、洲本に4-2芦屋に6-2で負けているが、素晴らしい体格は大成を期待されている。
森内勝己選手 十八歳、大竹高、投手、左投左打、五尺六寸、十六貫五百、投手としてはまだ未完成だが、打力もよく、これから伸びる選手。
保手浜清利選手 十七歳、忠海高、内野手、十九貫、遊撃手としては荒削りだが、その打力はすばらしく、テスト試験でその強打を買われたもの。
石川喜理選手 十八歳、出雲産業高、投手、左投左打、五尺七寸、十七貫、山陰地方随一の好投手。
永田徹登選手 十八歳、松本商高、投手、右投右打、五尺五寸、十六貫。