唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

不適

2006-08-01 08:40:23 | Weblog
「宦官が大将なんだぜ」

「しかも副将もみんな宦官」

「こんなこときいたことないぜ」

元和四年成徳王承宗反す。

当然のこと征討軍が送られた。

ところが招討使に選ばれたのは吐突承璀だ。

憲宗皇帝にとって最も信頼する宦官である。

有能な將軍がいなかったわけではない。

ただ信頼できる將は少なく、間隙をついて承璀が自推したためである。

宰相や諌官達は当然総攻撃をした。

「宦官が総大将など聞いたことがありません」

「朝廷には人なしと思われます」

「諸鎮の笑いものになります」

しかし憲宗は揺るがなかった。

「安慶緒を討った時の魚朝恩のようにならねばよいが」

「あの時は統制がとれず、全軍覆没し乱は長引いた」

と京兆尹許孟容はつぶやいた。

承璀は堂々と出撃していった。

しかし諸将は従わず、敗戦が続いた。
コメント
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