「蔡州!」
「蔡州といったのか?」
「まさか本気か・・・・」
李愬の兵達に戦慄が走った。
淮西を攻めること四十年。
官軍は敗北を続け、近づいたこともない蔡州城
愬はそこを襲撃すると命令したのだ。
横なぐりの吹雪がつづく張柴の村であった。
強襲して駐屯していた淮西兵を潰滅させた後
「五百はここを守れ」
「五千は俺と共に蔡州を攻める」
と愬は命令した。傍らには李祐の姿が。
「はたして祐の計に嵌められたか」と監軍は呻いた。
前の戦で淮西の勇将祐を捕らえた。
祐は残虐で、官軍の憎しみの的だった。
諸将は、当然だだちに誅殺になると期待していた。
ところが愬は祐を優遇し、二人でひそかに謀議を重ねていた。
「祐など信用できるか・・・」と諸将は思っていた。
「ここまで深入りしてしまったのだ、行くしかないぞ・・」
諸将や監軍達も逃げ帰ることなどできないことはわかっていた。
祐は言った。
「蔡州城はがら空きだ」
「官軍が攻め寄せてこれるなどとは夢にも思っていない」
「精鋭は郾城にすべて出払っている」
「いくぞ」と愬は馬を走らせた。
たちまち激しい吹雪がそのすがた隠した。
「蔡州・・・へか!」監軍達は必死で馬を走らせた。
「蔡州といったのか?」
「まさか本気か・・・・」
李愬の兵達に戦慄が走った。
淮西を攻めること四十年。
官軍は敗北を続け、近づいたこともない蔡州城
愬はそこを襲撃すると命令したのだ。
横なぐりの吹雪がつづく張柴の村であった。
強襲して駐屯していた淮西兵を潰滅させた後
「五百はここを守れ」
「五千は俺と共に蔡州を攻める」
と愬は命令した。傍らには李祐の姿が。
「はたして祐の計に嵌められたか」と監軍は呻いた。
前の戦で淮西の勇将祐を捕らえた。
祐は残虐で、官軍の憎しみの的だった。
諸将は、当然だだちに誅殺になると期待していた。
ところが愬は祐を優遇し、二人でひそかに謀議を重ねていた。
「祐など信用できるか・・・」と諸将は思っていた。
「ここまで深入りしてしまったのだ、行くしかないぞ・・」
諸将や監軍達も逃げ帰ることなどできないことはわかっていた。
祐は言った。
「蔡州城はがら空きだ」
「官軍が攻め寄せてこれるなどとは夢にも思っていない」
「精鋭は郾城にすべて出払っている」
「いくぞ」と愬は馬を走らせた。
たちまち激しい吹雪がそのすがた隠した。
「蔡州・・・へか!」監軍達は必死で馬を走らせた。