「市場でも荒らしに行くか」
「近頃は不景気だからたいした金にもならんがなあ」
「まあヒマだからな・・・」
含光門の守兵、名前だけは禁軍だが実際は無頼の連中である。
解任された宦官の楊復恭軍と皇帝軍が戦っているため、規律はより緩んでいる。
ぞろぞろと列を作って掠奪にむかっていた。
突然列の前に立ちふさがる騎馬があった。
ギョッとしてみると、宰相の劉崇望である。
「お前らはなにをしておる。皇帝は今賊軍と戦っておられるのだぞ」
「形勢は互角で、援軍があったほうが勝つ状況だ」
「市場を掠奪して小銭をかせいでなんになる」
「今、皇帝へ援軍として行けば、富貴は思いのままだぞ」
実際は形勢不利である崇望は必死で呼びかけた。
兵達は顔をみあわせていたがやがて
「あいつの言うことはもっともだぜ、いっちょうやるか」
「うまくいけば運が向いてくるかもな」
風向きが向いてきたことがわかった崇望は
「安喜樓へ向かえ」と命じ駈けだした。
兵達もいっせいにあとを追っていった。
皇帝軍に援軍がくると、形勢は逆転し復恭軍は崩れ散った。
「近頃は不景気だからたいした金にもならんがなあ」
「まあヒマだからな・・・」
含光門の守兵、名前だけは禁軍だが実際は無頼の連中である。
解任された宦官の楊復恭軍と皇帝軍が戦っているため、規律はより緩んでいる。
ぞろぞろと列を作って掠奪にむかっていた。
突然列の前に立ちふさがる騎馬があった。
ギョッとしてみると、宰相の劉崇望である。
「お前らはなにをしておる。皇帝は今賊軍と戦っておられるのだぞ」
「形勢は互角で、援軍があったほうが勝つ状況だ」
「市場を掠奪して小銭をかせいでなんになる」
「今、皇帝へ援軍として行けば、富貴は思いのままだぞ」
実際は形勢不利である崇望は必死で呼びかけた。
兵達は顔をみあわせていたがやがて
「あいつの言うことはもっともだぜ、いっちょうやるか」
「うまくいけば運が向いてくるかもな」
風向きが向いてきたことがわかった崇望は
「安喜樓へ向かえ」と命じ駈けだした。
兵達もいっせいにあとを追っていった。
皇帝軍に援軍がくると、形勢は逆転し復恭軍は崩れ散った。