四月の初め、宰相達は困惑していた。
「おい、成徳の公主が怒っているぞ」
「留後への任命が遅いので、自ら入朝してお願いすると言ってきた」
「無茶言うなよな、まだ一月しか経っていないんだぞ」
「あの婆さん、気位が高いから、すぐでなかったのが気にくわないのだよ」
咸通七年三月成徳節度使王紹懿が死んだ。後継は兄の子景崇である。
半分自立している成徳のことだから継承はすんなりと認められる。
自立して数ヶ月で留後に、半年後ぐらいに節度使になるのが慣例である。
しかし成徳へ降嫁した壽安公主にとっては嫡孫である景崇が慣例どおりで
あるとは承服できなかった。
「わらわの孫じゃ、皇帝にとっても一族にあたる」
「母上が生きておられれば、こんな薄情なことはなさるまいものを」
どんどん思いがつのり、老軀をむち打って入朝しようとしていた。
成徳の幕僚達にとっても悪い話ではないので止めはしなかった。
「来られたらうるさいし出費だ、早く任命してしまえ」
いそいで宰相達は景崇を留後にする手続きに入った。
「おい、成徳の公主が怒っているぞ」
「留後への任命が遅いので、自ら入朝してお願いすると言ってきた」
「無茶言うなよな、まだ一月しか経っていないんだぞ」
「あの婆さん、気位が高いから、すぐでなかったのが気にくわないのだよ」
咸通七年三月成徳節度使王紹懿が死んだ。後継は兄の子景崇である。
半分自立している成徳のことだから継承はすんなりと認められる。
自立して数ヶ月で留後に、半年後ぐらいに節度使になるのが慣例である。
しかし成徳へ降嫁した壽安公主にとっては嫡孫である景崇が慣例どおりで
あるとは承服できなかった。
「わらわの孫じゃ、皇帝にとっても一族にあたる」
「母上が生きておられれば、こんな薄情なことはなさるまいものを」
どんどん思いがつのり、老軀をむち打って入朝しようとしていた。
成徳の幕僚達にとっても悪い話ではないので止めはしなかった。
「来られたらうるさいし出費だ、早く任命してしまえ」
いそいで宰相達は景崇を留後にする手続きに入った。