唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

黒鴉軍

2006-08-05 08:40:13 | Weblog
「こんな兵どもじゃあ、いつまでたっても京師回復は無理だ」

「敵がくれば逃げる、隙をみつければ放火略奪するし」

「指揮には従わず、物欲だけは強い」

「良民を捕まえて、敵に食糧[人肉]として売りとばすしまつだ」
河中節度使王重栄は嘆いた。

「黄巣軍のほうがよほどましですぜ」
と義武節度使王處存

「食いつめ者の集団だからな」と都統王鐸

「敵に突撃して穴を開ける集団がいないと」

「穴さえあければ、この雑軍でも数がきいてくるのだが」と重栄

「都監、なにか方法はないのですか」

「ないことはないが」と楊復光はつぶやいた

「しかし、後が大変だが・・・」

「沙陀!」

河東北辺に住む蛮族の沙陀

その首領李克用は反逆者として追討されていた。

黒衣の騎兵集団であるその軍の強さは近隣に鳴り響いている。

「毒には毒をか・・・」

復光は決断して克用赦免の使いを出した。

中和三年六月、克用の率いる黒衣の沙陀軍は南下し、
黄巣軍を一蹴して京師を回復した。
コメント
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