唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

宰相暗殺

2006-08-10 09:24:07 | Weblog
元和十年六月未明、まだ真っ暗な長安の街

入朝しようとした宰相武元衡達の列を十数人の賊が襲った。

「やれ、元衡と裴度を討ち取れ」という叫びが

宰相の列とはいっても武装もしていない数人の供

賊の勢いに怯えてたちまちに逃げ散った。

賊は元衡を馬から引きずり下ろし首をとった。

「よし宰相はやった、度は俺がやる」

「お前らははやくずらかれ・・」と賊首

そして溝に転落した度を斬ろうとせまった。

その時、度の供である王が果敢に賊に組み付いてきた。

「くそ、お前もぶった切るぞ」

その時

「何事だ、何が起こったのだ!!」

街路を警護する金吾兵が近づいてくる気配がしてきた。

賊は組み付いている王の腕を斬り捨て走り去った。

急報を聞いて皇帝は驚き激怒した。

「京師で宰相を襲わせるとは前代未聞だ」

京師に戒厳を張り、家宅捜索を徹底したが

捕まったのは下っ端ばかりであった。

「王承宗のやつか、李師道のやつだ」

憲宗には討伐を主張する元衡達を除こうとする
成徳・平盧のたくらみであることがわかっていた。

「ゆるさんぞ、絶対討伐の方針は絶対変えん」

皇帝はただちに生き残った裴度を宰相に抜擢した。

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