唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

監軍の奢り

2006-08-04 08:45:46 | Weblog
「誰が節度使なんだ」

「宦官風情が勝手なことをしゃがって」

「配下の連中もしたいほうだいですよ」

昭義軍の中では不満が渦巻いていた。

節度使劉悟は李師道を裏切って帰順した將である。

そのため朝廷にはひけめがあり、監軍劉承偕の命令に忠実に従ってきた。

ところが承偕はどんどんつけあがって、悟を無視して勝手に命令を下すよ
うになってきた。

「野郎、殿を陥れようとしていますぜ」

「磁州刺史の張の奴がくっついて、代わりに節度使になろうとしています」

配下の將達からの注進ががあいついだ。

「しかたがないやるか」

「情勢は有利です。幽州や成徳・魏博が独立して朝廷はこちらの討伐どころ
ではないでしょう」

悟は配下に軍乱をおこさせ、張を斬り、承偕を捕らえて牢にぶちこんだ。

皇帝はそれを聞いて狼狽した。

「承偕は母のお気に入りの宦官だ。救ってやるしかない」

「現在、昭義を伐つ余裕はありません」と宰相達

まもなく武寧でも王智興の反乱が起こった。

しかたなく新しい監軍を送り、事態を追認することにした。

その後、悟は朝廷の命令に従わなくなり、自立の構えをみせること
になった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする