「節度使は承元様だ!」
「承元様以外は認めないぞ!」
外では牙軍の將士が集まり叫んでいる
邸内では承元が怯えて居すくんでいる。
「こんなことになるなんて」
兄の成徳節度使承宗が突然亡くなった。
朝廷に屈してからは元気がなくなった兄ではあるがまだまだ若かった。
兄には男子もいる。
弟の承元は幼いときから兄の陰に隠れて学問に励んでいた。
まさか節度使を嗣ぐ立場になるとは。
兄の子は帰順の人質として京師に連れ去られていた。
そのためお鉢が回ってきたのだ。
將士の喚声が大きくなってきた。
「自立してはいけません、淄青の李師道のように族滅されてしまいます」
「今の成徳軍には官軍と対抗できる力はありません」
「魏博・幽州・昭義と周りは敵ばかりです」
母や幕僚は口々に言う。
「わかっている。牙軍をどう抑えたらいいんだ」
「今出て行ったら、たちまち擁立されてしまう」と承元
「そして討伐軍がきたら、その連中に裏切られて首を切られる」
と掌書記がぼそりと言った。
「どうしてこんなことに・・・」
「承元様以外は認めないぞ!」
外では牙軍の將士が集まり叫んでいる
邸内では承元が怯えて居すくんでいる。
「こんなことになるなんて」
兄の成徳節度使承宗が突然亡くなった。
朝廷に屈してからは元気がなくなった兄ではあるがまだまだ若かった。
兄には男子もいる。
弟の承元は幼いときから兄の陰に隠れて学問に励んでいた。
まさか節度使を嗣ぐ立場になるとは。
兄の子は帰順の人質として京師に連れ去られていた。
そのためお鉢が回ってきたのだ。
將士の喚声が大きくなってきた。
「自立してはいけません、淄青の李師道のように族滅されてしまいます」
「今の成徳軍には官軍と対抗できる力はありません」
「魏博・幽州・昭義と周りは敵ばかりです」
母や幕僚は口々に言う。
「わかっている。牙軍をどう抑えたらいいんだ」
「今出て行ったら、たちまち擁立されてしまう」と承元
「そして討伐軍がきたら、その連中に裏切られて首を切られる」
と掌書記がぼそりと言った。
「どうしてこんなことに・・・」