「なんという皇帝だろう、父の宣宗皇帝とは大違いだ」
京兆尹の温璋は嘆いた。
「治療にミスがあったとしても、一族まで投獄するとは」
懿宗とその愛妻である郭妃は娘の同昌公主を溺愛していた。
夫であるというだけで韋保衡もたちまちに宰相に登用されたくらいである。
その娘が重病にかかり、皇帝夫妻は狂気のように心配した。
医師達も必死で治療したのであったがどうすることもできなかった。
公主が死ぬと、皇帝は見境なしに医師達二十数人を殺した。
さらにその親族三百人を投獄し、処刑しようとしたのであった。
「これでは法もなにもあったものではない」
と宰相劉瞻が諫めると、たちまち関係者もろとも左遷になった。
温璋が強く諫めると
「朕は皇帝だ。朕が決めるのだ。余計な口はきくな」
と皇帝は激怒し狂乱した。
「もう唐も終わりだ、こんな世に生きていたくはない」
璋は左遷の通達をまたずに毒を仰いで自殺した。
京兆尹の温璋は嘆いた。
「治療にミスがあったとしても、一族まで投獄するとは」
懿宗とその愛妻である郭妃は娘の同昌公主を溺愛していた。
夫であるというだけで韋保衡もたちまちに宰相に登用されたくらいである。
その娘が重病にかかり、皇帝夫妻は狂気のように心配した。
医師達も必死で治療したのであったがどうすることもできなかった。
公主が死ぬと、皇帝は見境なしに医師達二十数人を殺した。
さらにその親族三百人を投獄し、処刑しようとしたのであった。
「これでは法もなにもあったものではない」
と宰相劉瞻が諫めると、たちまち関係者もろとも左遷になった。
温璋が強く諫めると
「朕は皇帝だ。朕が決めるのだ。余計な口はきくな」
と皇帝は激怒し狂乱した。
「もう唐も終わりだ、こんな世に生きていたくはない」
璋は左遷の通達をまたずに毒を仰いで自殺した。