唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

捨て駒

2006-08-06 08:52:26 | Weblog
安禄山の乱、豫州城はひとり敵中に固守していた。

しかし長期の籠城により食糧はつき危機に瀕していた。

「よく脱出してきた、大変だっただろう」と進明

「殿、豫州では半年の籠城で食がつき。婦人や子供の肉を食べています」

「今ではそれも尽き、あと少しで餓死する所です、一刻も早い援軍をお願いいたします」

将軍南齊雲はガリガリにやせて気力だけで立っている

いつまでもこない援軍に危機をつげるため、必死の思いで脱出してきたのであった。

「ご苦労、さぞ腹が空いているだろう、さっそく宴会を開こう」

河南節度使賀蘭進明は愛想はよいが、軍をだそうという気配はない。

あと少しで大反撃が始まるのだ。ヘタに突出して動くと損害が大きい。

豫州には気の毒だが犠牲になってもらうしかないという腹だ。

齊雲は泣いて訴えたが聞かれず、怒りのあまり指を食いちぎり進明に投げつけた。

そして引き留めをふりきって?陽にもどっていった。

十月、飢餓により豫州は落城した。

弱り切っていた守將張巡や齊雲らは捕らえられ殺された。

十一月、総反撃が始まり東都は回復され、賊は敗走した。