そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

なんとなく心苦しい

2007-04-17 23:38:13 | Diary
自分は今、とある外部団体に出向して(正確に言うと出向ではなく「手弁当」なんだけど)働いている。
そこの団体は規模が小さく、事務所に常駐して働いているのは僅か5名。
所長のほか、自分ともう一名を除いた二名は派遣社員。
派遣のうち、一人はベテラン(と言っても30歳くらい)の女性で、ここに来てかなり長い。
もう一人は20代後半の男性で、彼は昨年の秋からここで働いている。

この彼、ちょっと珍しい経歴の持ち主で、高校を出てからずっと板前業をしていたのだが、とある経緯から路線変更してここで働くようになった。
まったくビジネス経験が無いということで、当初から心配はしていたのだけど、実際仕事をやらせてみるとなかなかキビシイ。
まず基本的なビジネスマナーが身についていないので、電話の応対も覚束なく、ビジネスメールもまともに書くことができない。
しかも生来のおっちょこちょいでミスも多く、安心して仕事を任せることができず、いちいちチェックしなきゃならないのでこちらの稼働も減らない。

自分は、いちばん年齢が近いこともあり、直接指導をすることも多かった。
けっこう打たれ強いタイプにも思えたので、あえて成長を促すために結構厳しいことも言った。
ちょっと怖がらせちゃってるかな、と心配しつつも、少しくらい憎まれてもいいや、と割り切って接してきた。
彼はいたって真面目で頑張り屋なので、月日が経つにつれて多少は改善したのだが、それでも進歩と言えるほどではない。
もともと少人数でやってるだけにそのパフォーマンスの悪さは明らかに問題になっていた。

そんな折、最近になって別の派遣会社から人材の紹介があり、けっこう良さそうな人なので、所長の意向もありついに要員交替の決定がされた。
自分も意見を求められ、彼の行く末が若干気になったものの、結論的には賛成した。
先週末に、派遣元の会社から彼にその旨通達があったらしい。
いちばんつらく当たってきたのは自分なので、もしかしたらちょっと恨まれてるかな、なんて、なんとなく気まずい感じもあり、今週に入っても彼と仕事上のやり取り以外話をしていなかった。

今日、たまたま彼と自分が最後まで職場に残っていたのだが、先に退社しようとしていた彼が、帰り際に自分の机に寄ってきて切り出した。
「もうお聞きになっているかと思いますが、今月一杯で交替することになりました。短い間でしたがお世話になりました。ご迷惑ばかりおかけして申し訳ありませんでした。引継ぎはしっかりやります。」
突然そんな殊勝なことを言われてしまったので、どう反応してよいのやら、「こちらこそ・・・」と言葉を濁してしまった。
ホント、性格は真面目でいいヤツなんだよなぁ。
なんだか、いろいろと厳しいことを言ってきたことが心苦しくて。
もちろん彼のため、職場の能率向上のためになると思って言ってきたことだけど、改めて振り返ってみると自分自身の憂さ晴らし的なところが全く無かったかと言われると、ちょっと自信がなくなってしまったり。
ここでの経験が多少なりとも彼の糧となり、次はもっと彼に合った職場で力を発揮してくれるといいんだけど・・・
コメント (2)
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