プールサイド小景・静物新潮社このアイテムの詳細を見る |
芥川賞を受賞した「プールサイド小景」を含む、7編の短編集。
7編はいずれも昭和25年~35年の間に書かれたものだが、その作風のモダンさには驚かされる。
特に、家族・夫婦関係の崩壊する様を淡々と描いた「舞踏」「プールサイド小景」あたりは、現代の小説だと言われても完全に信じてしまいそうなほど。
いずれの作品も、起伏のある物語が展開されるわけではなく、ちょっと風変わりな日常の断片を切り取ったような感じだが、家族の暖かみの中に潜む個人の孤独感みたいなものがどことなく漂っているようで、味がある。