そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

未来志向

2010-01-26 21:24:11 | Economics

今朝の日経新聞朝刊「経済観測」に、IKEAの日本進出を成功させた欧州ビジネス協会会長トミー・クルバーグ氏への、日本の個人消費をテーマにしたインタビューが掲載されていました。

以下、印象的な部分を引用。

「デフレと呼ばれるマクロの現象をミクロの視点で観察すると、必ずしも悲観しなくてもよいのではないか。多くの人がユニクロで安い服を買えば、少数の人が高級ブランド品を買うようり消費は大きくなる。高品質=高価格から高品質=低価格へと消費トレンドの変化が劇的に起きている。日本の消費者は生まれ変わりつつある」

「潮流に乗り遅れまいとして、今までと同じコスト構造のまま、やみくもに低価格競争に突き進む企業もあるだろう。淘汰が起き、収益を生む事業モデルを創造した企業が伸びていくのは自然な流れだ。その公正な市場競争から、新たな成長企業が誕生し、経済成長を支えていくはずだ」

「主婦を対象に市場調査したところ、日々の生活についての暗い発言が多くて驚いた。住宅ローンや職場のストレス、親の介護、家庭を顧みない夫への不満などだ。人生を楽しむ感覚を忘れ、常に何かを心配したがっているようにも思えた」

「幸せな気分こそが消費の土台となる。日本経済を元気にするには、まず日本人が笑顔を取り戻さなければ。個人が社会から切り離されて孤立している印象だ。新政権の政治指導者には、失敗した過去を語るのではなく、未来志向で希望のある日本社会の姿を描いてほしい」

「競争を恐れず、未来に投資すべき局面だ。外資を交えた企業競争が消費者に利益をもたらし、内需を拡大する。これまで日本は強力な企業社会を築き上げてきたが、過去に築いた構造をどう守るかという後ろ向きの発想に陥っていないか」

素晴らしい。
たいへん感銘を受けました。

経済社会が停滞気味になると、政治が悪い、アメリカが悪い、市場原理主義が悪い、日銀が悪い、ユニクロ価格が悪い…と、何かと「悪者探し」をしたり、かつての栄光に慰みを求めノスタルジーに浸ったりしがちですが、そんなことをしたところで事態は改善などしない。
停滞している時こそ、大切なのは前向きな未来志向ですな。

コメント
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