先月21日から『美しい罠』DVDのリリースが始まり、当初はなるべく一日1話ずつ視聴進めようと思っていました。
昼帯の録画を夜、帰宅してから巻き戻して観ていた頃の胸躍る気分を再現したいと思ったし、これを観るために“他に何も手につかない”状態になりたくない、惚れて愛している作品だからこそ“淫する”ようには観たくなかったからなのですが、これがねー。なかなかむずかしい。つい余分に1話先、1話先へとなだれこんで、貴重な睡眠時間を侵食してしまいがち。
本放送時にほぼ完視聴済みなので、筋書き展開は頭に入っている、話数、場面によっては「次あの名セリフ来るぞ…ホラ来た」「次あの人がアノ人を殴るぞ…ホラ殴った」みたいなノリになることすらあるのに、どうしてこんなに先へ先へとせわしく進みたくなるかと言うと、TV連続ドラマの完パケソフトを今回初めて買って知ったのですが、DVDだと、OPタイトルは毎話分あるのに、話と話の間に、次回予告っちゅうものがないのね。1話終了すると、すぐ次話のアバンタイトルに入ってしまう。
「ヨシ、今日はここまで!」と踏ん切りをつけるタイミングがなかなか掴めないんです。
『美しい罠』の毎話の予告編集は放送中から「意外な展開を想像させる作りが巧妙」「翌日、翌週が待ちきれなくなる」とファンのあいだで評価が高く、今般のDVD化に際しても、ぜひ完全収録を!との声が多く寄せられた結果、めでたく特典ディスクに全話分収録されることになりましたが、この特典ディスクは最終頒布の第二部後編(3月21日=春分の日…関係ないか…リリース)と同梱。
全巻揃って初めて、全話分の予告映像がダーーッと連続で観られるわけです。
コレ、どんなもんでしょう。予告は予告、やっぱり本編のあとに次話の分…の、本放送時と同じピッチで見せてほしかったなと思うのが半分。
いや、そんな編集にされたら、本放送時でさえ待ちきれなかったんだから、ますます次話が待ちきれなくなって、ヘロヘロになって目が腐敗するまでぶっ通しに観ちゃうぞクワバラクワバラ、と思うのが半分。
これが劇場映画だったら、3時間、4時間超の大作であってもぶっ続けで観るしかないでしょう。30分枠65回の長尺TVシリーズだからこその、ベストな楽しみ方があるはず。
当分、“ともすれば睡眠不足”の崖っぷちを、ハラハラ歩くことになりそうです。
まぁ、本放送時、DVD化されてもう一度観るチャンスないかな無理かな…と気をもんでいたころに比べれば、すべてが叶って手元にある(21日には全巻揃う)いまとなってはゼイタクな悩みでしょう。
そんなことを考えているうちに、おや、櫻井淳子さんのご懐妊が報道されましたよ。結婚4年めにして待望の赤ちゃん。7月末に出産のご予定……ってことは昨年、まさに『美しい罠』の昼ドラ名物苛酷収録が終わってホッとされた頃に、ひょっとして終盤の盛り上がりをTVで観ながらその、なんだ、アレした?…等と無礼な想像をめぐらしてしまいました。櫻井さん、旦那さんごめんなさい。
櫻井さん扮するヒロイン類子は槐の殺人を食い止めるためみずから毒を飲んで、副作用で妊娠できない体になってしまったのですが、DVDリリースで美罠ファンが盛り上がっているこの時期におめでたニュースを聞くと、類子と槐の愛の力が忌まわしい罪の呪縛を解いたかのような錯覚におちいってしまいます。
女優としての櫻井さん、93年『誘惑の夏』以後もいろんなドラマでお顔を見る事はあったものの、正直、さほど印象がありませんでした。顔立ちは文句なしに美人なんだけど、ちょっと軽い?蓮っ葉?な感じが(役柄のせいでしょう、これは役者さんの宿命です)拭えなかったもので。でも『美しい罠』で一気にイメージが変わりました。強く、賢く、気骨があり、かつ情深い大人の女性。イヤ本当のところどうでもいいんです。お顔を見るとそういうイメージがわいてくる、それで十分です。
女の子ならもちろん類子似の、男の子なら槐似の赤ちゃんが生まれてくるに違いない。旦那さんの顔とか知らないけど。勝手か?妄想か?イヤそれぐらい夢見させてくださいよ。