イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

天に星 地に花

2008-09-19 00:20:14 | アニメ・コミック・ゲーム

まるっと未チェックだったのですが16日からBSマンガ夜話』新シリーズが放送されていたんですね。前シリーズからまだ3ヶ月、やり出すとピッチが早いから油断ならないなあ。

そう言えば昨日(18日)の昼間、出先の待ち時間で、備え付けの雑誌をめくっていたら、“懐かしマンガカルトクイズ”という、マンヤワメンバーなら泣いて喜びそうな企画が載っていました。

月河はマンヤワ最近のシリーズのお題になった作品も含めて、80年代、特に後半以降連載スタートしたタイトルについては、軒並み真っ暗暗なので初級篇からまったくわかりませんでしたが、

「『巨人の星』で星飛雄馬が甲子園に出場した青雲高校の、野球部監督の名は?」

……ビンゴ。これだけわかった。

“天野先生”なんです。下の名前は知らない。作中出て来てたかどうかも不明。もともと監督ではなく“部長先生”なんですよね。漫画の絵ヅラでは眼鏡で細身の銀行員風小男で、野球経験自体どれだけあったのか怪しい感じでしたが、青雲高の地区予選まで依頼されて監督をつとめた星一徹が「天野先生の長い地味な努力をさしおいて、人のふんどしで相撲をとりたくない、派手なことも性に合わん」と身を引いてからは、結構、指導者らしい気骨を見せる場面や台詞もあったように記憶しています。

月河はドンピシャ『巨人の星』世代ではないものの、小学校のかなりな高学年まで男性の床屋さんで髪を切ってもらっていたりで、当時の『少年マガジン』は結構チェックしていました。

手元に原典がないので確認するすべがないのですが、『巨人の星』ってタイトル・主人公の名が“星”だからなのか、登場人物でも、孤独な飛雄馬の数少ない“味方側”の人たちの役名はみんな“空”がらみなんですよね。

青雲高の柔道部鬼主将から、人生のバッテリーを組むようになる無二の親友が“伴太”、宮崎キャンプで出会った薄命のマドンナ“高美奈”。星家の赤いワンピースの姉“子”さん、日本一の日雇い人夫にしてスパルタ父ちゃん“一”さんも、よく見ると名前に“”“”の部首がちゃんとある。

高の“野先生”も広い意味でこのグループじゃないかと、月河は読んでいるんです。

一方、内的にはどうあれ、星飛雄馬と対立構図になる人々は全員属性が“地”もしくは“地上”です。

千住のお化け煙突みたいなあり得ない前髪と、中学生からオープンカーを運転する道交法違反常習がトレードマーク(か?)の“形満”は“紅高校”卒で、貧乏設定なのになぜか体格がいい“左門豊作”は“熊本農林高”出。入団テストでやたらからんできた高慢なオリンピックボーイ“速譲次”(“水”“サンズイ”は、宇宙にはない、“地”球所属のものですから)。伴会長闇討ち事件の張本人で飛雄馬退学→テスト受験のきっかけをつくった漫画家志望の先輩“牧場春彦”。

TVの新春ボウリング番組共演で飛雄馬と一時熱愛交際した“オーロラ三人娘”は空つながりかと思いきや、ピンの芸名は“ルミ”と木ヘン、思いっ切り地上で本質が敵属性でした。別れて正解。

ちなみに、オーロラ3人娘ルミちゃんの他の2人のメンバーは、“井エミ”と“原アキ”です。こちらはアニメ版限定。宮崎公演のポスターが一瞬映ったときに小さく出ていただけなので、知らない人が多いでしょう。黒髪をおろして外撥ねパーマ風にしていたのがエミちゃん(アニメのルミちゃんは栗色のストレートで、カチューシャか何か着けていたかな)で、金髪っぽく染めてアップにしていたのがアキちゃん。豆知識ね。ちょっと自慢。全員、姓に木ヘンを付けてるところが、一時のサンミュージック所属の女の子アイドル群みたいですな。

メジャーリーグのセントルイス・カージナルスから来た黒い刺客・オズマだけはよくわからないんです。オズマという、ファーストネームとも姓ともつかない登録名の由来も、“Cosmos(コズモス=宇宙)”からの音韻連想だという説もあるし、『オズ法使い』由来説まであるらしい。

まぁ、あの梶原一騎さんが大型の敵キャラ名考え出すのに『マジレンジャー』じゃあるまいし『オズの魔法使い』参照する姿も想像しにくいですが、だとしたら“Over the rainbow”だし、コズモスから取ったならもちろん直球で“宇”。

確か、中日ドラゴンズに入団するときか、アメリカに帰国してベトナムの英雄となり、引き換えに致命的な傷を負って世を去る悲運の末路を描いたアニメオリジナルのエピで“アームストロング・オズマ”と紹介されていた記憶もあるので、日本語に訳すと“強”、部首に“月”が含まれるのでどちらにせよ“空”組とみていいと思います。

オズマの出生や、野球選手になるまでの境遇には、星飛雄馬の「もしも銃社会で差別大国・犯罪大国のUSAに生まれていたら」ヴァージョンといった趣きもあり、作品内でも屈指の重大対決場面で雌雄を決しはしましたが、なんとなく“同じ次元で、似た素材の十字架を背負った2人”として作者はとらえ、描出していたような気がします。

さて、斯く書く月河も、“”で“”で、さらに“たびと”だもんで、名前の属性的には同作品の敵キャラにも味方キャラにもなり得る素質十分なんですがね。梶原一騎さんが早く亡くなられて残念。

…とは言え、←左柱←←のプロフィールで白状している通り、ツキカワもタビトも競走馬の名前から取っているので、空つながりでも地つながりでもなく、飛雄くんとは“馬つながり”だったのでした。

コメント
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