イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

アッパレ!

2009-02-17 00:13:09 | 特撮・ヒーロー

『侍戦隊シンケンジャー』の殿様レッド志葉丈瑠役の松坂桃李さんは、誰かに似ていると思ったら次長課長のイケメン担当・井上聡さんに似ているんですね。“FINEBOYS”専属モデルオーディション出身が若殿様ということで黒髪にした、髪型のせいもあるかもしれない。次課長井上似なら、回り回ってV6岡田准一さんにも似ているわけですよ。3者連続写真にしたらおもしろいことになると思います。画像フリークは一度お試しを。

 俳優としてはこの『シンケンジャー』がデビュー作になる88年生まれ20歳の松坂くん、“桃李(とうり)”という芸名が、本名まんまかどうかわからないけどとりあえずすごいですね。

 NYヤンキースの元監督も思い出しますが、「桃李不言 下自成蹊(桃李もの言はざれども 下おのづから蹊を成す)」ってくらいなもんで、高貴かつ人徳ある人のもとには自然と人が慕い寄って来るという意味通り、まさにシンケンレッドを演じるために生まれて来たような人です。実生活でも、安倍晋三元総理の後輩で成蹊大学の現役なんつったらできすぎですが、プロフィールにそこまではないみたい。

ジイ(伊吹吾郎さん)に頻りにすすめられているのに、最後までシンケンジャーメンバーに召集かけるのに消極的だったのは、「ぜんぶ自分で仕切りたい」「美味しいトコ独り占めしたい」エゴからじゃなくて、「自分以外の者を、主従の名のもと外道衆との戦いのリスクにさらしたくない」という道義心からきている模様。たぶん今後も、盛り上がってきたところで「オレにまかせろ」「引っ込んでろ」と言い放って、他メンバーと不協和音が生じる局面もあるのでしょうね。メンバー同士が意思疎通、体温調整し合い一丸にまとまるまでの過程も“チームメイトシップもの”である戦隊の見どころ。

今作、5人のスターティングメンバーの中でいちばんドラマ演技経験のある相葉弘樹さんが№2であるブルーに起用されているところに、キャスティングを含めた製作の余裕、懐の深さが垣間見える。07『美味(デリシャス)學院』でのデコレーション王子を思い出すにつけても、“アナクロ若殿”に相葉弘樹さんぐらい似合う俳優さんはいないのです。15日放送の第1話だけ観ても、声の通りや場面ごとの身のこなしが完全に1人図抜けてこなれている。

それでも『シンケン』は、作品として敢えて“相葉くんがレッド=主君役ではない戦隊”を目指し、その相葉さんをブルーに据えて、今作が演技デビューの松坂さんをレッドに迎え、同じく鈴木勝吾さんをグリーンに充てた。オーディションで閃いたままに…と一見見えて、何気ないようだけど、深い読みと計算、構築心というか“企画ごころ”を感じます。

見る側からすれば、演技に5人の中では)余裕のある相葉さんがトップではなく二番手、それもコミカル寄りの№2にいるおかげで、ドラマ全体がとても観やすくなっている。21歳だけどいちばん多くの現場を踏んでいる相葉さんにしてみれば、“俳優デビューの2人に遅れをとるわけにはいかない”という自負があるでしょうし、松坂さん鈴木さんは“一番人気をみすみす持って行かれたくない”気持ちが当然あるでしょう。こういう心理の、物理化学変化こそが戦隊をおもしろくするスパイス。

一方女子メンバーも、“いかにも単館系ヒロイン”な佇まいのお姉さん・ピンクの高梨臨さんと、“朝番組のイメキャラ向き素朴元気少女”の妹キャラ・イエローの森田涼花さんとでお見事な“見せ分け”“棲ませ分け”っぷり。

1話でもCMを挟んだAパート・Bパートともに変身戦闘シーンがあり、メンバーの持ち武器・持ち技・持ちキャラ(折神)、敵方の3主要キャラを漏れなく盛り込んで、なおかつブルーがピンクを、イエローがブルーを、さらにはブルーがグリーンを殿と間違える絶妙の小芝居もあり。玩具紹介としてもドラマとしてのキャラ立てとしても、近年の戦隊シリーズ第1話の中で一、二を争う出色の出来と言っていいと思います。

月河はスーパーヒーロータイムに関しては、『仮面ライダー』枠もともに、子供専用番組、玩具販促ソフトとしてではなくあくまで“面白く、飽きない、次回が楽しみなドラマ”を期待して観ており、今年もその姿勢で見守っていくつもりです。噛み応えあるぞ、『シンケンジャー』。

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