生活のBGM、天気予報、交通情報と、仕事にも外出にもお伴させているトランジスタラジオが故障してしまいました。ここ二年で三回目の“断線。”リール式イヤーレシーバーのコードが内部で切れてしまったのです。
電池切れでも、雷が近づいているわけでもないのに片方のイヤホンからの音が微妙にウィンウィン波打つように聞こえだし、そのうち右から左、左から右と音が移動するステレオマイクテストのようになって、やがて波打っていた片方が完全にフリーズする、という故障プロセスも前回と一緒。もう四の五の言わずに、速攻、電器屋さんへ持ち込みました。
とっくに保証期限が切れているのはわかっていましたが、一応、持ち込む前に、購入時の保証書と、修理記録を探してみました。買ったのは平成9(1997)年1月2日。電器店の初売りの日でしたが、地元では随一の大手だったこの電器店、経営破綻していまは無くなってます。これが失笑その一。
失笑その二は、忘れていたのですが、買った年の夏休みにも一度、いまから五年前の2001年9月にも一度、同じ症状で修理依頼しているんですね。買った年はまだ買った店が健在で、保証期間一年以内の無償扱い。2001年にはすでにこのお店は無く、いま何かと言うと駆け込む、自宅にいちばん近い電器屋さんからメーカー送り修理の伝票。故障箇所を読むと、一度めは右、二度めは左のイヤホンが、それぞれ聞こえなくなっている。二度めはもちろん有償。領収金額が入っていない伝票ですが、たぶん最近の二度の修理と同じ、四千円から五千円程度は払ったはずです。
つまり、手元に記録がある分だけでも、修理はこれが五度めということ。
そこで、今回は電器屋さんに訊いてみました。いまのと同グレードの性能で、もう少し故障しにくい新しい機種は出ていないのか?平成9年と言えばもうまる九年以上です。その間に音響、通信機器は大幅に進歩していますから、この際買い換えてしまおうかと。
でも、結局大差ないんですね。FMステレオ、AM、アナログTV音声1~3ch受信可能(このうちTV音声は無くてもいいんですが)、リール式イヤーレシーバー(ジャック差し込み式だとイヤホン断線のリスクは少ないような気がしますが、その前にジャックがすぐダメになる)でスピーカー内蔵のシンセチューナータイプだと、メーカー希望価格ベースで11,000~12,000円。平成9年に初売り値段で買った時も、当時3%だった消費税込みで一万円ちょっとでした。
いま花形のデジタル家電など、最先端の機器は開発後、後発メーカーが参入してくることで競争原理が働きめきめきと安くなってる(らしい)んでしょうけど、トランジスタラジオなんていう超ベーシックなアイテムはもう無風状態らしい。
9年前と同レベルの製品に同じだけおカネを使うというのもバカバカしいので、修理部品の供給が細々でも続く限り、修理し続けて聴くことにしました。
半永久的には保たず手頃なところで故障して、より高グレードの新品への買い替えを促す、というのが賢い工業製品の作り方だそうですが、私のような消費者ばかりだと技術もGDPも進歩しないだろうなあ。
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