イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

あなたも私も幸せキラリ

2007-11-22 21:42:54 | CM

いよいよ冬本番、リップクリームが手放せないシーズンになってまいりました。

先日来「リップよりマスク」の優先順位な生活になっていたのですが、今日は寒さも風の冷たさもひとしお、室内も暖房と保湿の両立がむずかしくなってきたので、この春お土産にもらったイタリア製のレモンリップクリームを塗ってみました。

国産の香りつきリップは何の香りでも苦手なのですが、これはレモンレモンしていなくていい感じ。外函のミクロなイタリア語表示をルーペで読んでみると、レモン精油のほかハチミツ、プロポリス、西洋弟切草(オトギリソウ)エキスなんかも入っていますが、主力はさすがにイタリア~ンで、オリーブオイルとシアバター。

なんか、料理のレシピみたい。

唇は顔の中で唯一“毛穴”“皮脂分泌腺”のない場所なので、潤いは外から補ってやらなければいけないのだとは前に聞いていましたが、このレモンリップ、皮脂と成分が近いせいなのか、どんどん吸収されてすぐ唇表面からなくなってしまう感じなのがちょっと物足りないかな。

オリーブオイルにシアバターですから、クチに入るものだけにイタリア料理並みに高カロリー…なわけはないか。保湿リップとしての機能性より、練り香水のような小さなジャー型の容器から“紅をひく”感じで薬指で塗る感触が気に入りました。

連休前の支払いもろもろで外出の帰途に、思いつきで12,000万円の関東・中部・東北自治宝くじをキオスクから10枚。来週から年末ジャンボも発売ですね。今年は、先日の10億円寄付した大磯スーパー米寿おばあちゃんのニュースで、売り上げ↑となるか↓となるか。

月河は、10億円吐き出してもひとっつも困らない余裕の資産状況より、質素勤倹を旨とする暮らし向きより、「10億円寄付しました」「8年前にも5億円しました」とTVや新聞で顔・実名・自宅室内公開して臆すところのない、自分を取り囲む世界への楽観マイペースっぷりに茫然でした。

あんまり消耗品な語彙は使いたくありませんが、まさにKY”の極北と言うか極南と言うべきか、ここまで来るといやはや、「うらやましい」「斯くありたい」とは鐚一文思えませんな。

再放送『真夏の薔薇』は第10話。息子・稲彦が、自分と愛人との間にできた娘と思われる碧と結婚しようとしている、因果の悪夢にうなされた英雄(小野寺昭さん)、稲彦ゴールイン阻止への味方を増やしたい一心?で、とうとう妻・萌子(鰐淵晴子さん)に事情を話してしまいました。なんと意気地のないことよ。

打ち明けられる前は「取り乱したりしないから洗いざらい話して」と請け合っていた萌子、実際聞いたらネグリジェ一枚で雨降らしの中に飛び出して門前に茫然と立ち竦んでたり、「これで稲彦と別れなさい」と札束持って碧の勤める病院食堂に押しかけたり、英雄よりは動転の表現に引き出しが多い。

96年の鰐淵晴子さん、フランス人形のようだったお若い頃の面影をいまだとどめていて十分美しいのですが、碧役・安永亜衣さんと食堂テーブル挟んで向き合うと、上半身に占める顔サイズの比率の差に軽く愕然となります。

鰐淵さんだけではなく、昭和前半の名だたる美人女優さんはみんないまの基準からすると顔が大きかった。

“小顔”が女性の美の条件になったのはごく最近のことなのだなと気づかされます。

萌子の怒りと焦りには、“夫のひそかな、取り返しのつかない長年の裏切り”への憎しみが芯にあり、相当荒れても狂っても説得力がある。“(相手が異性であれ同性であれ)嫉妬で狂乱して行く女”を描かせたら第一人者の中島丈博さんですからね。

稲彦・碧・靖顕の三角噴火口がいまのところ沈黙を続けているのも不気味。鰐淵さん扮する萌子が動き始めたことで、軽くサイコ・ホラー風味も入ってきました。

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それを言うならアクセサリー

2007-11-21 20:59:24 | テレビ番組

今日も朝イチから病院詰めで、外来ロビーで小一時間『スッキリ!』(日本テレビ系)を見ていました。先日の川島なお美さんに続いて、今度は阿部寛さんも四十路の初婚ですね。芸能界はさながら“年貢納め週間”になってますな。お慈悲を、お代官さま(何のこっちゃ)。

科目ふたつ回って、会計済ませて、あーやれやれと院外処方箋とともに調剤薬局にたどりつくと、『ワイド!スクランブル』でも阿部ちゃんの記者会見。ヒット作『トリック』つながりからか、阿部さん直筆のお相手女性の似顔絵を渡されてテレビ朝日の美術さんが描き直したヴァージョンを記者団に公開なんて舞台裏もあって、他局より(日テレも阿部さんが某ビールのCMイメキャラを演じたときモデルにしたのは自局の阿部祐二レポーターだった、というコジツケを持ってきて、結構頑張りましたが)ちょっとテンション↑↑でした。

『トリック』での名コンビ仲間由紀恵さんから山田奈緒子調で「どうやって言いくるめたのか見てみたいものだ」「しかもお相手は28歳というではないか。私も同じ(28歳)なのに一度も誘われなかった、どういうことなのか」とツッコミなのかなんなのかわからないお祝いメッセージもあり、記者からこの仲間さん祝辞の件で水を向けられた阿部ちゃんが「…また余計なことを」「…何でしたっけ?(「同じ28歳なのに誘われなかった、とのことです」と記者から再度聞かされて)…スミマセン」とたじたじな一幕もあり。

「同い年の(しかも美人女優の)私が手近にいながら、その私をさしおいてこいつうー」みたいなニュアンスをくっきりはっきり織り込んでも、嫌味にならない仲間由紀恵さん最強。月河は阿部ちゃんのお相手になった女性よりも、こういうベタにネタな祝辞を記者経由で会見場に送って「余計なことを、でもスミマセン」と返してもらえる対等共演者・仲間さんが、同性として直球でうらやましい。

阿部さんに比べて、『トリック』以降当たり役と言えるキャラや作品にいまいち恵まれない仲間さんですが、目指せ平成の吉永小百合(…お互いに迷惑か)。

再放送の『真夏の薔薇』は第9話まで来ました。一時は碧(安永亜衣さん)をはさんで手術室で殴り合い、輸血用血液大量に床にぶちまけてローションプレイみたいになってた靖顕(よく見ると陽あたり良好竹本孝之さん似の入江達也さん)と稲彦(池田政典さん)ですが、8話ぐらいから志高い医師同士の友情・職業的パートナーシップみたいのも芽生えてきて、なんか若い男女の三角関係面ではまだドロドロ“修羅場って”きません。

独走で昼ドラワールドなのはもっぱら稲彦の父英雄役・小野寺昭さん。碧が指にはめてきたルビーの指輪は自分がかつての不倫相手・郁子(姿晴香さん)に贈ったもの、実家は神楽坂の小料理屋、じゃあ息子が結婚したいと連れて来たこの娘は自分の…?…途端にヒキツケ起こしたみたいに棒立ち、どうかなさいましたか?と碧に問われて「あなたのその、指輪を見て、今度の芝居の衣装…じゃないな、ソウショクヒンをね…」ってしどろもどろ。英雄は一応、押しも押されもせぬ有名大物俳優って設定なんですけどね。とりあえず演技派設定ではないと。

“驚き”“動転”“狼狽”など細かい心理の襞をどすんと“硬直”。これ一本で表現してしまうわけ。

(しかもこの大物俳優、分刻みの若手売れっ子ってわけではないにしても在宅時間長すぎ。「脚本の例の直し、頼んだよ」とマネージャーに命じたあと夜の自宅玄関まで見送りに出てきたりします。大物なんだか小物なんだか。)

息子がそれと知らずに異母妹と結婚しようとしている、それはなんとしても食い止めねばならない、しかし外の女に子を産ませていたことを妻・萌子(鰐淵晴子さん)に知られてもまずい。それで英雄、「問題だぞ」「あの娘はダメだ、絶対反対だ、結婚なんて無謀だ」「あの娘に近づくとオマエは不幸になる」と目ぇ据わらかして言い張る言い張る“怒り”でも“叱責”でもなくひたすら“言い張る”。

稲彦も、碧の清楚さ謙虚さを気に入っていた萌子も唖然呆然です。

小野寺さんの演技も狙っているのかいないのか、ちょっぴりでも「お父さんがそこまで言うなら」と考え直させるような説得力が鐚一文なく、異母兄妹疑惑を知っている私たち視聴者が見てても「アータね、も少しやり方言い方思いつかないの?」ってぐらい一本槍の生兵法で芸無しです。いや、演技じゃなくて、キャラがね。

この作品の9年後の同枠昼ドラ『危険な関係』で“微笑みブラック”な財閥総帥を演じられた小野寺さんを思い出すと、やはりベテランの域の人でも9年の上積みは大きいと思います。ある種“箱庭”“盆栽”のお芝居である昼帯ドラマでの“出し入れ”を覚えられたということかもしれない。

『真夏の~』の脚本はケレンの帝王中島丈博さん、『危険な~』は翻訳お文芸ものを得意とする金谷祐子さん。このへんのドラマ世界観の違いもあるでしょう。

9話では英雄、とうとう「稲彦、ちょっと来なさい、いいから来なさい」「オマエの身体の中にある邪悪なものを祓っていただくからね」って、陣内智則さんのヒゲコスプレみたいな祈祷師呼んじゃいました。

何か取り憑いてるの、どう見てもお父さん、アナタなんですけどね。

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SPは七三でしょう

2007-11-20 20:36:33 | テレビ番組

先週は週日5日のうち3日朝イチから病院外来に詰めていたので、ふだん見ることのない700900台ぐらいの番組を廊下や待合室でとっかえひっかえ見ていたような気がします。

科を移動するたびにチャンネルも変わる。おかげで、音声は四方八方からのお呼び出しアナウンスにまぎれてほとんど聞こえないんですが、佐々木健介&北斗晶夫妻の道場に殴り込んで朝食料理対決を挑むグッチ裕三とか、人間ドック仕様の寝間着風なお召し物のおじさま(のちに字幕で作家・石川英輔さんと判明)にお江戸の大家さん・町内会事情を訊く柳家花緑・林家きく姫……夫妻??とか、「こんなことまでTVでやってるのか」と思うような絵が見られました。

軽く驚いたのは久しぶりにお顔をアップで見た川島なお美さん。結婚発表で喜びいっぱい夢いっぱい、乙女の様なはしゃぎっぷりが月河も同世代なんで観ててちょっとコソバユイのはご愛嬌として、彫刻的に堂々たる鼻筋の付け根の、眉間の上方に例の…あの…その注入口みたいのがくっきり映っちゃってるのが痛々しかった。

どうなんだろう。月河は『アイ・アイゲーム』で山城新伍さんのアシスタントやってた頃のお顔のほうが好きだがなぁ。

輪郭もパーツもクチャッ、チマチマッとして、“端整な美人顔じゃないけど、小動物系の愛くるしく男好きのする、幾つになってもかわいい系の顔”のまんま40代で、よかったじゃないですかねぇ。

四十路中盤でも“いかにもオバさん”ぽくならない、コケティッシュなヴィジュアルが同性としてうらやましい限りだったのに、ぶち壊しだろう。鼻筋だけフランス映画の女優さんみたいにしても、似合う顔と似合わない顔があると思う。

中年になってなお美しくあろうとする、飽くなき執念ですか。女優魂としてリスペクトしてあげるべきなのか。芸能人なので顔に投資するのは大いに結構だけど、なんかセンスの古い、儲け主義美容外科のカモにされてる気がするなぁ。

ミセスになって、ちょっと価値観の優先順位変わってきたり、見えてくる風景も違ってくるかもしれない。できれば、外面を人工的にどうこうじゃなく、内面がにじみ出る方向でいいお顔になってほしいですよ、ホント。

週末はSP2回(1110日)と第3回(17日)の録画を続けて見ましたが、第2回はバレーボールで放送時間延長があって、1055分ごろ時点での試合経過で見当つけて録画セットしてから深夜業に突入、2週遅れで再生して観たら、冒頭5分が吹っ飛んでました(崩)。

尻尾が切れるのと、どっちがダメージ大きいだろう。次回冒頭アバンタイトルで“前話までのおさらい”は入りますからね。結局、第1回の三代目魚武濱田成夫さんが扮したスキンヘッド仕込み杖の男が、これから語られるテロ話のラスボスとして生き残ったのかはわからずじまいのままエピソードⅡへ。

このドラマ、とにかく“もったいぶり過ぎ”

もっとサクサク話進められないものかな。

ハイテク武装テロリスト集団の計算された手口と、それを上回る井上(岡田准一さん)の悲しき特殊能力との丁々発止、ときに組織のビューロクラシーに足を引っ張られ、心ある上司(堤真一さん)にひそかに命がけの援護射撃され、人知で考え出された企みのすべてを凌駕して井上の本能が見事事件解決→要人警護に成功、でも心の痛みはいやまさるだけの井上…という哀切で、息もつかせず盛り上げていかなければならないのに、テロ集団アタマ数少なすぎ、占拠された病院の群集も従順過ぎ、もっとギャーギャー騒いで死体の山のひとつも築けよ。地上波だからって大人し過ぎだろう、描写が。ぬるい、緩い、遅い、すべて。息もつかせぬどころか、深呼吸の余裕あり過ぎ。

でもって井上も「なーんか胸の奥がザワつくんですよねー」なんて言ってないで起こせ行動。360°カメラに周られないと特殊能力発動せんのか。消えた足跡にわざわざしゃがんで「この歩き方は…軍人かな?」って、台詞言う前に思いついた時点でダッシュで院内戻れよ。

また警護される元総理(露木茂さん)が、極秘入院なのに玄関先で家族とじめじめ愁嘆場演じるは、病院玄関から一般患者のロビー通って入るは、手術間際に「ブラームス頼むよ」ってワガママこくはで、「オマエ狙われる気満々だろ!」ってツッコミどころだらけ。

ひと言“冗長”

たとえば10の話を85の尺にまとめるために血の汗を流して刈り込み編集作業をすれば、作業した側と同じ緊張感をもって、刈り込まれた部分に想像力を猛回転させて視聴者も観ることができますが、このドラマもともと5565ぐらいしか内容のないお話を10の尺に膨らまそうとしているので、節目節目がぜんぶ水脹れなんです。

岡田准一さんのジャニーズ仕込みの身体のキレを活かした生身殺陣、同僚役真木よう子さんの“華奢カッコよさ”、同じく同僚役『危険な関係』の若槻兄・鈴木ユウジさん改め神尾佑さんの“大人カッコよさ”など絵的な見どころなら満更無くもないのですが、お話的に“次回が待ち遠しいとサッパリ思えないドラマがまたひとつ増えてしまった”だけでした。残念。

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人をパンみたいに

2007-11-19 15:51:03 | アニメ・コミック・ゲーム

大幅に出遅れてしまいましたが、119日放送の『爆笑オンエアバトル』ももう一度振り返っておきましょう。

月河が同番組レギュラー視聴復帰して以来、いちばんオンエア回数観ているんじゃないかと思う、ここのところ抜群の安定感を誇るハマカーン509kbを筆頭に、25位はすべて400台。一応、粒揃いだったと言えるかもしれない。

ハマカーンの好調は、ネタ質のアベレージはそこそこでも、何より浜谷・神田2人いることで、その関係性が醸し出す空気”が客にわかってきていることが大きいと思う。

流れ星や三拍子同様“悪友コンビ”っぽいんだけど、たとえば神田は教室で、ウケよう面白がられようと思って、前日からいろいろ考えてネタ仕込んで来ちゃうようなタイプ。なんなら視力いいのにダテメガネかけてきたりして(実生活はどうかわかりませんが、“ダテ感”の強いメガネだと思う)。

ところが休み時間に自身満々でそれを繰り出すと、なぜか食いつきいまいちで、大したことやってなくてへらへらしてるだけの浜谷のほうが持って行っちゃうんだな。「あれーなんでだろう?オレのが面白いはずなのに…そっか、アイツと組んじゃえばいいんだ」と、神田から「なーオマエさぁ」と持ちかけて、浜谷は「コンビ?いっけど?」と半笑いでそれに乗ってるみたいな空気がどんなネタやっても漂っている。

神田は微量ひそかに必死、浜谷は半分へらへら。お客さんが、彼らのネタの背景にある関係性のパラダイムをわかってきてくれているので、笑い所がつかみやすい。

この回の修学旅行ネタも、得意の“男子校→女子校”をしっかり入れ、「日本人の礼儀」を「京都の流儀」へエスカレートさせ、“清水寺”を1回振って回収するなど実に遺漏なくまとめてあった。チャンピオン大会への勢力図とは別に、現時点でのアベレージ上位組の中で、2人の(観客から見ての)関係性が鮮明な分、オンバトを出てバラエティのコーナーMCやクイズ、パネラーなどで、特に東京発の番組ではいちばん使いでのある組でしょう。

神田愛花アナとのネタ後トークのオンエア率が高いのにもよく表れている。ネタ演らなくても、2人いるだけでなんかおもしろいことになりそうな予感がある。ピンではないコンビの芸人として、これは貴重です。

よく学校ネタ、子供時代ネタやるけど、2人とも三拍子やトータルテンボス、流れ星ら、ほかの“悪友調”コンビとは明らかに毛色の違う“坊ちゃん学校出”っぽいのも強みです。

2481kb超新塾は、今回初めてタイガー以外の3人がグラサンを外しました。コブラの嘆きに他メンバーが乗る、いつもの振りでいつもの流れなんだけど、最初の医者ネタから次のセコンドネタに入る流れが近来になくスムーズだったのと、クロージング寸前の椅子取りゲームでガツンと上げることができた分の高得点だと思う。それこそデカレンジャーじゃないけど、まさに“5人”というアタマカズをまるごと強みに変換した見事な締めでした。

しかし月河はネタ本編より、冒頭のオンエア名乗りで、さくらんぼブービーの後ろでテレ笑顔ガッツポーズで見切れていたドラゴンに笑ったな。グラサンオフの件も含め、なんとなく“俺らの定番”からもぞもぞ蠢いて弾け出す胎動感も今回はそこはかとなくあり、次オンエアへの期待をつないでくれました。

3449kbBコースも、マンネリっちゃマンネリの昭和ドタバタ。もうカマネタもあんまり何とも感じなくなった自分が怖い。クチ三味線の『クシコスの郵便馬車』が懐かしかった。確かに運動会なんかではあの曲定番でしたね。アクションや黄のハブの顔芸・奇声に頼らない、台詞で積み上げ盛り上げる系のネタも見てみたい。

久々挑戦さくらんぼブービー405kb4位。「カジくーん」で始まり「カジくーん」で締めるショートコントつなぎで、ラフ&ワイルドな芸風をきれいにまとめましたが、一部にとても高評価なわりに、この人たち“汲めども尽きぬ才気と着想”よりは、その場その場の“焼き畑農法”に見えるんだなぁ。

「こんなのがいつまで(飽きられずに)続くか」つながりで言えば、「カッキーン」武勇伝を引っさげて『笑いの金メダル』『エンタの神様』辺りに来た頃のオリエンタルラジオのほうが、調子に乗りまくった勢いの分、まだしも“底つき感”が少なかった。

405kb。オンバトでよくここまで取ったなとさえ思える。こういう芸風の笑いは、ワイルドだシュールだ型に嵌まらないのが魅力だって言われてる山だし骨太のうちに、ある程度型に嵌めとく努力も必要かもしれない。ここまで底が割れてからやおら洗練の方向に向かっても痩せるだけのような気も。難しいところに来てしまいました。

ギリ400台で5ななめ45°401kb。設定はとてもユニークだったのに、“マラソン優勝者より先に完走ゴールしちゃった追っかけと警備員”といういちばんの笑わせ眼目が中盤で明らかになってしまう構成で、あらかた損した感。出だしで設定を呑み込ませるまでにだいぶ時間を消費したし、「オマエらのせいでオリンピック怪しいんだかんな」「オマエらどんだけ元気あんですかー!?」などのくすぐりがぜんぶ“理由のわかった後なぞり”になってしまった。そこんとこが最後にわかるような書き方にできなかったものかな。

この回はオフエアの6エンジョイワ→クス349kbだけが300台で、710位は全組200台。エンジョイはホスト風セミショートだったツッコミが刈り上げに野球帽で、ネタ順抽籤時も敗者コメントでも明らかに本調子でない顔色。「本物ではないな」オーラを会場審査員も感じたのでしょう。

今回に限って特に惜しい、もったいない、是が非でも見たかったと思われる組はオフの中にはいませんでした。ある意味後味のいい回でもあった。

チャンピオン大会目標の組はそろそろ追い込み。頑張ってください。

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伝説の男

2007-11-18 19:58:45 | CM

もう数日前の訃報ですが、元・西鉄ライオンズ投手で監督の稲尾和久さん、亡くなられましたね。

70歳。うーん。往年のスポーツヒーローは、監督や解説者としてメディアに露出せずとも、とにかく“生きた歴史”として「居てくれるだけでいい」のに、惜しい年代で倒れるかたが多いような気がします。

同世代の中でも抜きん出た身体能力、筋力、瞬発力、持久力、へこたれない根性・精神力を備えていたからこそのスポーツヒーローなのですが、そういうフィジカル面の優秀さ強靭さと“病気にならない”ということは必ずしも一致しないんですね。

月河もさすがに稲尾さんの現役バリバリ時代にはまだ生まれていなかったので、資料で知るのみですが『神様 仏様 稲尾様』ってすごい見出しだしキャッチですよね。

もし本当にこの通りの見出しを冠した当時の新聞が存在したとしたら、考えた記者かデスクが、「これで行こう」と思いついた段階でもう胸震える心地だったことでしょう。“流行語大賞”的なものがあったら何冠も総舐め、その年前半のニュースや話題あれやこれやは全滅吹っ飛んだんじゃないでしょうか。

リアルタイムで見ていなくても、それくらいイメージ喚起パワーのある、何と言うか、背後に幾千万の人々の情念や渇望を引き連れて熱風を起こすかのような言葉です。

月河は残念ながら西鉄→太平洋やロッテの監督としての稲尾さんすらあまり記憶になく、いちばん印象があざやかなのは94年春~夏頃に放送されていたキリンビール・シャウトCMでの監督役です。

原田芳雄さんが落ち目の剛球投手に扮したこのシリーズ、稲尾さんは原田投手が「引っ込め原田!」「引退しろ!」の罵声を浴びつつ降板してベンチに下がってきたところへ「…変化球も覚えろよ」とどっかり腕組みのまま声をかける、という役。

原田投手は目もあわせず「引退したらな!」と悪態をついてダグアウトに消えるのですが、たぶん稲尾さん扮する“監督”も、現役時代同じことを監督に言われてきたんだろうな…と、世代の違う男ふたりの、それぞれの戦いの軌跡を垣間見せるような、ちょっと素敵な寸劇CMでした。

“いかにもプロ野球選手”なシマシマ背広にド派手幅広ネクタイの原田投手がインタビュー番組のしつらえで「客は野球を観に来てるんじゃねぇんだ、オレを観に来てるんだよ、この伝説の男原田を」と大見得切るヴァージョンを皮切りに、試合後?の原田のホテルの部屋に元カノ?元妻?から電話がかかってきて…なんてちょっと色っぽい篇もあったけど、意外とあっさりビール市場からは降板してしまいました“シャウト”。

稲尾さんが監督で、原田さんが落日エースの球団。

こりゃ、ファンもオーナーも連日シャウトするしかないだろうな。

稲尾さんのバリバリ時代はいまのように投手が先発・中継ぎ・抑え・クローザー等と分業化されていなかったので、先発完投した翌日の試合にリリーフ登板、なんてことも珍しくなかったとは、当時を知る大御所野球人の皆さんが強調されること。

ま、だからと言って現在と一勝の重みがどうこう比べて言うのも野暮な話です。当時は飛ぶボールとか飛ぶバットなんかもなかっただろうし、その代わり球場も古くて狭くてホームランになりやすく、でも雨が降ればしっかり中止になった。

カネになる、スターになれるプロスポーツの選択肢もほかにあんまりなかったから、学力や学歴では勝負にならないが、身体は地元一頑健で肩が強い、足が速いと自負する男の子はもれなくプロ野球志望だったはずです。

稲尾さんのすごいのは、記録より記憶。その名を聞いただけで呼び起こされるイメージ、映像、言葉、昭和30年代という時代の熱気、空気感でしょう。これだけは数字がどんなに塗り替えられても、代われる人がいない。

ご冥福をお祈りします。

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