イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ショートコンツェルン

2007-11-17 22:35:36 | スポーツ

オシム監督、心配ですね。

脳梗塞。市原の監督をされていた頃から、親戚に“それ系”の多い月河には、年齢とは別に、体型・歩き方・動作・顔つきなどが濃厚に“予備軍”のそれに見えました。

いちばん暑い時に暑い国に行ってアウェーでプレーするような代表監督の職責、手腕や指導力の問題じゃなく勤まるかしら?と懸念していたのですが。

思えば川淵三郎キャプテンもついてないですね。この人が「彼なら」と見込んで信任し重い職を任せた人は、みんな散々な、あるいはパッとしない結末になることが多いし、まあまあの成果をあげた人は、在任中ずっと川淵さんと摩擦係数が高い。

オシムさんと言えば母国ユーゴスラビアの政変を現役の青・壮年期にまともに食らった世代で、サッカー人生も実人生も波瀾万丈をきわめた人なので、もう代表監督の座云々じゃなく、何とか回復して安らかな暮らしに戻ってほしいですね。

先週(9日)も今週(16日)も『爆笑オンエアバトル』見てるのに、結構笑かしてもらってるのにスルーしてます。

時間的、身体のコンディション的にそれどころじゃないってことが大きいですが、やっぱりTVを通じての娯楽の中では“お笑い”ってドラマやスポーツイベント、政治や社会面の大ニュースや、いっそ気象情報などに比べると“わざわざニーズ”の低いアイテムなんだと思わざるを得ません。

体調悪かったり仕事に家庭に問題山積で気分がダウンしているとき、お笑い番組見ても、意外に“上がらない”し、癒されもしない。

特定の芸人さんに贔屓がいたり、あと、関西生まれ関西育ちの人ならちょっと違うのかもしれません。

とりあえず月河は“自分が‘落ちてる’ときには、にぎやかで明朗快活なものより、どよんとしたものやダークなものを見たり聴いたりするほうが‘上がる’”

それはさておき16日放送分では、何より上々軍団の満点545kbに驚きました。うーん。松山収録回。何がある松山。坊っちゃん、坊っちゃんスタジアム、道後温泉、あとはみかんか。タルトか。伊丹十三記念館か。杉作J太郎か。こうさせた下手人は誰だ。この完成度で。

地方収録から放送までは1ヶ月ちょっと空くのが普通なので、TVでは朝から晩まで亀田一家問題を垂れ流していた頃だったかも。そうでも考えないといまさら『だんご三兄弟』を使った、あの程度のつかみでの会場のむさぼる様な食いつき良さが説明できません。

メインの校歌ネタもつまらなくはなかったけどいかにも粗かった。次のチャレンジで真価が問われますが、この程度で“真価が問われる”ステージに上げられてしまうのも気の毒な気が。よく思うことですがオンバト、特に地方収録には魔物が棲んでいます。

例によって計量順がネタ見せ順だとすると、トータルテンボスが525kbの“大関相撲”を見せたあと、ドラハッパー341kb(オフエア)で大きくへこみ、ラブ守永189kb、オレンジジュース205kbと低空が続いて、会場審査員が“玉入れないでいることに倦んできた”ところへ、ちょうどいいハジけ具合・粗さ具合だったのかもしれない。

………しかし、とにもかくにもの満kbネタを自分がおもしろいと思えないことについて、一生懸命理由を探しているのもつくづく不毛だな。

over500も“なんでアイツらのアレで満kb?”と嬉しさ中ぐらいになっただろうトータルテンボスは手堅い。“ボイラー室”のリフレインが冗長でもったいなかったほかは、今週ダウンな月河なんか「おフトンで大丈夫ですか」「かまわん」「畳ですよ」「オッケーだ」「フスマもございますし」「どんと来い」というおなじみの“小憎らリズム”が全オンエア中いちばん笑えた。

ただ、この手慣れっぷりが玉数の天井になっている気もする。一度『ザ・イロモネア』のような、瞬発力オンリーの他流試合に出て、個別の絶対能力を見せてくれないかな。

流れ星497kbも妥当に手堅かった。「ミートソースYシャツについちゃうよ」は笑ったな。

ボケの振りにツッコミがしぶしぶ乗ってノリツッコミ、という終盤~クロージングは上々軍団と一緒だけど、瀧上の“終始ボケに手を焼く悪友”スタンスのほうにやっぱり一日の長があると思う。上々軍団の鈴木はまだ“心配性の子分キャラ”にも“おっとり長男キャラ”にも“普通にヴィジュアル担当”にも見えて、一ネタの間での振幅が大きすぎる。この辺を含めて次ネタ以降に真価が問われるということ。

流れ星に話を戻すと、この人たち、さしたる爆発力は感じないわりに無傷の15連勝中なんですよね。逆に“オフエアになるようなネタをやったことがない”のが弱点かもな。

ギリ5ジャルジャル365kbも辛いなりに妥当でしょう。ズレてるバイト生とズレてる店主のズレ→ズレ会話だけど“どっちも似た方向に同じ程度ズレてる”うえ、二人揃って笑わせガッツが表に出ない系な顔立ちなので、なんともつかみどころがない。もっとピリッとしたところを挟んで緩急つけないとズレネタのおもしろさが出ないと思う。

「ネモトタツオとかホンマヨシオもそこですよ」「誰やねんそいつら」は笑えたけど、「定番スポーツ」言ったときには“あ、聞いたことない種目名言うな”と予想がついてしまう底の浅さにももうひと工夫。

4位までが400台後半というインフレ大会での4位が髭男爵461kb。噂には聞いていましたがオンエアを見ることができたのは初めてです。何のこっちゃない横山たかし・ひろしの「大金持ちのお坊ちゃまじゃ、笑えよ~」の延長線みたいな芸風なんだけど、メガネのヒグチ君を見た途端、TVブロスのコラムその他で劇作家・松尾スズキさんと組んでいるイラストレーター漫画家の河井克夫さんを思い出し、以降、河井さんと松尾さんのコスプレ芸にしか見えなくなってしまいました(倒)。

それはこっちにおいといて、とことん小劇場向きなこういうネタをTVで見られるのも『オンバト』の魅力。連勝狙いでオンバト向きにネタを練って行くんじゃなく、オンバトの客を自分らの波長に合わせるべく“調教”するぐらいの気持ちでまた来てもらいたい。

前週9日放送分も結構内容があったので、時系列逆になるけど次にまた触れてみます。

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早く人間になりたぁい

2007-11-15 17:11:16 | アニメ・コミック・ゲーム

先日来、自分も含め家族が交代で寝込んだり、それぞれ家から別方向の病院に駆け込んだり付き添ったりで頭がトチ狂っているところへ、前任者がしくじったため締め切りが切迫した仕事を「騙されたと思ってやってみてくれる?」とゆるーく持ち込まれて、トチ狂いついでに「あは(脱力)」と引き受けてしまったため、ここ数日入浴はおろか(まぁ熱が37℃台後半からビクともしないのでそもそも無理だという噂もありますが)、洗顔も髪のしばき上げもままならず“女捨ててる”を通り越して、すでに人間としてさえどうなんだという領域に踏み込みつつあります。

そんな中でも毎日のようにドサドサ届く郵便物の中に海外コスメ個人輸入カタログなんかを見つけると、「ジャン=ポール・ゴルチエの“フラジャイル”のキンキララメラメボトルがいいな、宅配便みたいなロゴもいいかも」「いややっぱりエルメスオレンジのボックスにスカーフ柄の24フォーブル”は風格あるし」「エルメスと言えばオーデメルヴェイユのプラネタリウム型ボトルも一個は欲しいな」等と買えもしないのに妄想する妄想する。

人間じゃなくなってるくせにな。

ささやかな楽しみは再放送『真夏の薔薇』の録画。

OPはこちらは主演俳優さんらキャスト顔出しなしタイプですが、タイトルにもなっているオレンジピンクの薔薇の花のアップから、『ジゼル』風のロマンティック・チュチュで踊るバレリーナさんの背格好、お顔立ちが、一瞬ヒロイン役の安永亜衣さん?とも見えるナイスフィーチャー。

月河の小学生坊主時代の『少女フレンド』や『なかよし』『りぼん』などには、よくこういうチュチュを着てポーズをとった森下洋子さんらのグラビアが載っていたものです。薔薇にバレリーナ。月河もこのOPで、低レベルなりにちょっとは血中オンナノコ濃度上がって本編へ。

安永さん(本放送96年当時27歳)扮するヒロイン川嶋碧は総合病院に勤める薬剤師で、清らか、清純というより“優等生”“正論ちゃん”

同じ病院の東大卒エリート医師と結婚前提で交際が続いていながら、ともすれば「靖顕さん(入江達也さん)のご実家は老舗の百貨店を経営している資産家なのよ」「若い娘らしく綺麗にして愛想をつかされないようにしなくちゃ」と“条件”“玉の輿”を強調する母親に反発、神社の境内で偶然出会った別の若手医師とこれまた偶然職場で再会すると、内線電話で堂々と「2人きりでお話したい」、相手が元・婚約者を自分の車運転ミスで死なせてしまった過去を打ち明けると自分からキスに誘うなど、「おいおい」という危なっかしいヒロインではありますが、水商売を営む母が自分の幼い頃父と離婚、長く“オンナ”を商売道具に、日陰の泥水をいとわず飲んで自分を育ててきた母や家庭環境への、通奏低音のような重荷感・嫌悪感からそういう行動をとるのだな、という説得力がちゃんとある。

「自分のやっていることは間違いではない」「お母さんのような打算がないんだから汚れていない、恥ずかしくない」という彼女なりの自信と誇りがそうさせるのでしょう。

「もうちょっと“汚し”入れて生きないと、自他ともに傷つけるよ?どうなのよミドリちゃん」と視聴者を無理なく“人生のお姉さん”気分にさせます。

碧の母親・郁子は碧が3歳のときに離婚していますが、俳優・火室とかつて愛人関係にあり、子を身ごもって、認知や入籍を求めるでもなく、「私たちの愛の結晶がこのお腹の中にいる、そのことだけは忘れないで」と言い置いて大人の別れをしています。

すでに妻子のあった火室は、ゴシップを避けて郁子をあきらめ、慰謝料や、かつては貧乏くさい小料理屋だった郁子の店をお座敷つきの割烹にする資金援助だけをひそかにしてきた様子。いまやシェイクスピア劇の座長もつとめる大御所。萌子との間の息子・稲彦は外科医になっていますが、実は稲彦こそが碧の“運命の人”なのです。

碧は稲彦に「小学校の頃、家にあった古い手紙の住所を頼りに父を訪ねて行ったら、優しくしてはくれたけど、“私はおまえの本当の父親じゃないんだ”と言われた」という打ち明け話もしており、中島丈博さん脚本作だけに、碧と稲彦は異母兄妹?禁断の恋?疑惑も4話にして立っています。

郁子役・姿晴香さんの、はかなげな中にも時に鉄面皮なくらいしたたかな愛人体質っぷりとか、火室役・小野寺昭さんの、微調整すっ飛ばしたあけすけ過ぎる増毛っぷり(もともと小さくはない顔幅と、前髪の厚みがほぼ等しい)に、設定二十数年前の郁子妊娠告白シーンでのレイバングラス+ケミカルGジャン爆笑もんの若手二枚目俳優姿、もちろんワンシーン濡れ場のサービスなんかもあり。

このお2人はこの作品から9年後の05年『危険な関係』でも、“昔いわくあり”な大人の男女を演じておられました。

火室との事情を知る郁子母・巴役鳳八千代さんの、色街の汁なら娘よりたっぷり吸ってますよという空気をまといながら、堅気に潔癖に生きる孫娘・碧を「おまえは(郁子がしつこくすすめる化粧や結髪をしなくても)素直でまじめな、とっても素敵な娘だよ」と敬意をこめて褒めてやる懐の深さもいい感じ。郁子役の姿さんとタカラジェンヌOGコンビというハーモニーも好結果を生んでいますが、やはり鳳さんは『風の行方』の熟年離婚主婦や『レッド』の貧乏家お祖母ちゃんより、こういう婀娜っぽいクロウトっぽい役で昼ドラワールドを彩って欲しいなぁ。

稲彦役の池田政典さんと、恋敵となる冒頭時点での婚約者・靖顕役入江さんが、男前度において“中程度”でバランスしているのも実に何というか。これ、どっちかが超美男でもう一方がわかりやすいブサだったり、いっそ両方高水準で甲乙つけがたかったりしたら、むしろ成立し辛い物語なのです。

碧たちの働く病院の、詮索好きで意地悪な看護婦(←ドラマでのこういうキャラには、やっぱ“師”より“婦”でしょう)役で『女優・杏子』のライバル女優マネージャー役でもあった野村ちこさんの顔も見えます。

病院が舞台、ヒロインが薬剤師、相手役が外科医、しかも脚本が『牡丹と薔薇』の中島丈博さん…と揃うと、やはり臓器移植の話が今後からんでくるのかな。

出生の問題をめぐって、当然血液型やDNA判定も話題に出そう。

…あれ?こないだあきらめたばかりの『愛の迷宮』とあんまり変わらんじゃないか。

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ジャッジメント決めるぜ

2007-11-12 20:14:03 | アニメ・コミック・ゲーム

TV放送の全面デジタル移行も近いことだし、もう場所をとるVTRは撮り貯めしない方向でいこうと決め、ここ2年ほどは新品のテープを買っていません。

だから録画して後から観たい番組は、古いテープの“空き部分”“上書き消去可部分”をサーチして、録りたい番組に足りるか時間を測ってセットしています。

昨日そのサーチ作業をやっていたら、05年の『特捜戦隊デカレンジャー』最終話に突き当たり、サーチをしばし忘れて見入ってしまいました。

こうなると、押入れの整理していてアルバム開いちゃったようなもの。当初の作業なんか秒速で忘れます。

CM前の「頼んだぞ、相棒!」「…?…この野郎!相棒って言うな!」……何度観てもここで泣けてしまう。

“このコたち”を1年間見てきて本当によかった…と心から思えて、CMの間ウルウル目を家族に見られるのが恥ずかしかったあの日が、昨日のことのよう。

戦隊ヒーローものであると同時にれっきとした刑事ドラマ、警察ドラマでもあった作品。ラスト2~3週は、最終話で誰かが殉職して、苦いハッピーエンドになるんじゃないかしら…と考え出すといろんなことが手につかなくもなりました。

やっぱり魅力あるTVドラマの要諦は“次回が待ち遠しい”“最終話どうなるか、どうなってほしいか、考え出すと止まらない”、これに尽きますね。

これさえ備えていれば、あとリアリティがどうのメッセージ性がどうの、贔屓の役者さんが出ているとか、原作・原作者の知名度や好き嫌い、セットやロケや衣装にカネがかかっているかかっていないなんてのはゴミクズの様な問題だと思う。

『デカレン』を久々観て決心がつきました。『愛の迷宮』はもう録画やめた。

テープの空きが惜しいからじゃなく、自分はもうこのドラマに“次回が待ち遠しい”と思える要素を見つけられません。

夜、OPCM込みで26分ならよっしゃ!いま巻き戻して観れるな、という細切れの自由時間ができても、いそいそとリモコンに手が伸びない。巻き戻すのも観るのも面倒くさいのです。

そう思わせてしまう主因が、筋立ての古くささ重ったるさなのか、演出やキャラ立ての粗さなのか、俳優さんたちの演技の味の無さなのかはわかりません。

煎じ詰めればひと言“次回が待ち遠しく思えない”これが脚本、演出、キャスト、すべてをどうでもよくし、吹っ飛ばす破壊力でした。

月河がすべて留守録再生“わざわざ”視聴だからそう思えるのかもしれない。リアルタイムで連続観られる環境だったら、特に惹き付けられもしないまま惰性でゆるーく嵌まれたかもしれません。専らそういう視聴者向けに作られているなら、むしろ成功作かも。

というわけで目下録画続行中はめでたく再放送『真夏の薔薇』だけになりました。

これはいいです。汁気たっぷりです。今日第2話。汁が滴る滴る。ここで書く機会も相当ありそうです。

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100℃でハートビート

2007-11-11 19:25:50 | テレビ番組

ここのところ家族が相次いで、高齢順に関係なく交代交代で体調を崩しているので、昨日も新聞・ネット、一日中情報源を何も開かないまま夜になってTVをつけたら、『ショカツの女』(テレビ朝日系2100~)放送中。

片平なぎささんと言えば、永年勤続の“二時間ドラマクイーン”。月河も似た世代で、『スター誕生!』グランドチャンピオンの頃からお顔を見ていますが、今年亥年の年女、さすがにアップがきつくなってきたかな。

同年代の女性アイドル出身タレント・女優さんに比べると、熱愛だの破局だの結婚だの離婚だのの“消耗”が少ない分長持ちしてるなって感じですか。

浅野ゆう子さんなんかもそんな感じですね。きっと性格が男っぽいというか野太いというか、血中“オンナ濃度”が平均的に低いんでしょうな。

片平さんの場合、ゆう子さんよりデビュー当時からキャラに“オシャレ”“ファッショナブル”要素が少なく、化粧品CMや服飾誌グラビアで同性の憧れ・目標的地位に祭り上げられることもなく、いい意味でどん臭い感じだったので、逆に“世の隆盛や衰微、流行り廃れ”を免れてきている強みも感じます。

片平さんが多本数の2時間ドラマシリーズを持つようになったのは、8990年代初頭からで、実はもう三十路にさしかかってからなんですね。

普通のゴールデンの連続ドラマなら、女優さん、主役が厳しくなる年代。ここから大幅に出演本数が増えていったのは、彼女の10代からの“実年齢より上に見える”キャラのせいもあるでしょうが、本当のところは“地上波TV視聴者の加齢”があずかって力大な気がしてなりません。

TVドラマ製作者、広告スポンサー及び代理店はつねに若者のほうばかり向いていますが、実際はどんどん若者はTV、特にドラマを見なくなり、見ているのは圧倒的に中高年化してきている。

片平なぎささんにはある意味失礼ですが、彼女の90年代以降の活躍はTVドラママーケティングと、視聴者実働とのズレの象徴”かもしれません。

 カメラマン役船越英一郎さんとの“友達以上、恋人未満”な関係が探偵活動の芯にあった『小京都シリーズ』や、東京の大学講師役神田正輝さんと“ラブラブで早く結婚したいんだけど、いつも秋山専務(大村崑さん)や事件に邪魔される”『赤い霊柩車シリーズ』がきつくなってくると、『カードGメンシリーズ』のように“仕事と家庭・子育ての両輪で頑張るお仕事ママさん”キャラがさまになってくる。

昨日の『ショカツの女』は真ん中へん前半寄りの15分ぐらいしか観ることができませんでしたが、“中ベテランで手腕もあるのに、キャリア至上の出世主義男性社会で軽んじられ冷遇されている叩き上げ女性”という、ついこの間まで市原悦子さんが演じていた『おばさんデカ・桜乙女』の二の線寄りヴァージョンの域にすでに達しています。

鈴木保奈美さんや、今井美樹さん、山口智子さん辺りより、片平なぎささんの30代以降のお仕事のほうがずっと、総括すれば“平成日本のTVドラマ史”そのものになりますね。

言わば、彼女の実年齢での“花”年代からの遠ざかりが、そっくりTVドラマの“訴求ターゲットと実際に動く年代層との乖離”とシンクロしている幸運さ。

それプラス個人としてのオンナ部分(結婚妊娠出産など)を優先しての“空白”期間なく出ずっぱりで、劇場映画でもVシネでも舞台でもなくTVの、それも2時間ドラマを主戦場にし続けている強み。

私は84年の『スチュワーデス物語』で風間杜夫さんに「ひろし…(ガン見)」とあてつけてクチで手袋脱いでた頃の片平さんがいちばん好きだがな。

山口百恵さんや榊原郁恵さんを継ぐ、ホリプロ可愛い子ちゃん路線アイドル歌手としてはついに“鉱脈”を掘り当てられなかった彼女に、“高慢な恋がたき”キャラは“やっと来たドンピシャ”に思えたもので。

やっぱりお顔立ちですかね。あのくっきり幅広二重瞼の、星を宿す勢いのぱっちりおメメ、“かわいい”の範疇を踏み越える寸前まで栄養の行き渡った頬骨回りの輪郭、昭和のベタ少女漫画の“意地悪金持ちお嬢さん”そのまんまですもんね。

クチもとなんかは涼しげで、“高慢”より“頑張り屋さん”が似合う雰囲気だけどなぁ。現在進行で演じているキャラもそんな感じだし。

そろそろ“怖いお姑さん”や“村の黒歴史を知る旧家の大奥さま”なんかも演じてほしいものです。

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そこの彼お茶しない

2007-11-09 21:22:02 | テレビ番組

先般の“大連立スカ劇”で何が笑ったって、すべてが露顕してから「いったいどっちが先に言い出したんだ」という話になって、判で捺した様に答えが「阿吽の呼吸」

自民・福田さんも民主・小沢さんも“そういうことを持ちかけられたら応じそうオーラ”を互いに出しながら永田町界隈を歩いてたわけで、要するにコレ、ナンパですな。ナンパの要領ですな。“声かけてもらいたそう”なところに目星をつけて声かける。

福田さん71歳、小沢さん65歳。分別盛りを通り越してます。ちょっとグロテスクですな。

小沢一郎さんと言えばかつての田中角栄学校の“級長”みたいなもんですから、党首同士サシで「党に持ち帰る」と言えば“オッケーよ”サインなわけ。

で、党首が「連立やっぞ」と号令かければ子分は満場一致団結するのがアタリマエ、というのが小沢さんの中での常識です。

ところが民主党って、小沢さんのような55年体制の申し子的出自の人はせいぜい渡部恒三さんぐらいなもので、旧新自由クラブあり、旧民主社会党あり、旧日本社会党右派あり、同中道派ありで、“政権交代の看板に足る重みのあるキャラが他にいないから”小沢さんをかついでただけで、実は小沢さんにさほど、もしくは全然、シンパシーもリスペクトも持ってない人も結構いるわけです。

「えー連立?」「参院選であんなに自民批判して勝ったばっかりなのに、民意とチガくね?」「総理とか主要閣僚ポストはこっちでもらえるんだよね?もらえないの?確約ないんならヤバいよそれ」という声があっちからもこっちからも上がって、旧竹下派“一致結束箱弁当”の時代で時間が止まっている小沢さんとしては「何で党首のオレの号令に従わないのがこんなに居るんだ」と愕然としたはずです。

で、「もう知らないこんな党、どうせ政権担当能力ないもん、オレ下りるもん」と癇癪玉。

菅直人さんや鳩山由紀夫さんら党幹部がアワ食って慰留に走ったのは、“党首がキレ辞めした党”の生傷さらしたまんまではそれこそ総選挙に勝てなくなる、何としても“修復して、雨降って地固まった”印象を世間にアピールして幕引きしたかったからでしょう。

そんなに有権者は甘くないぞ…と言いたいけど、意外に選挙民って、いろんなことを速攻忘れるからなあ。

今日は『愛の迷宮』29話をまだ録画再生していません。春樹(河合龍之介さん)がすりかえて提出した拓真(阿部進之介さん)と光男(保阪尚希さ)のDNA親子鑑定が意外な転機をもたらす、物語としてはおもしろいところにさしかかっているはずなんですが、コンペ敗退の責任を取ってゆりあ(黒川芽以さん)が辞表を提出する、提出まぎれに拓真に好きと告白する、光男は拓真を敗退なら解任すると言っていたのにやっぱりしない、それは政吉(横内正さん)に「拓真はおまえが本当の父としてすべてを受け容れてくれるか試しているんだ」と言われたからで…なんかそのへんの、会社を舞台にしたお仕事部分の描写があんまりお座なりくんなので、濃いぃ虚構の中に引き込まれないんです。

ピンポイントに主婦向け商品である昼帯ドラマにはよくあることですが、劇中の“ビジネス”の扱いがものすごく杜撰で適当。あり得ない出版社や、あり得ない建設会社が毎作平気で出てきます。

もうずいぶん昔から、いまは専業主婦であっても独身時代に一度は会社員経験のある女性のほうが圧倒的多数なはずで、ここらは昼ドラ制作局、制作会社、もっとナメないで虚構を作り込まないと視聴者に見放されるぞ。

そもそも平成3年、バブルの残照に二日酔状態の財閥系大手ディベロッパー(コンツェルン?)なら、社内がもっとバブリーにマテリアルに、キラキラ、チャラチャラしていたはずなんだがなぁ。

それと鮎川家のどよーん前近代な空気を対比させれば、“どっちに居ても心を開けず鉄仮面の拓真”と“どっちでも泳いで行けるけど気い遣いゆえにチャラく見える春樹”との対照ももっと際立つのに。

ゆりあが小学生時代からの初恋の相手・拓真への思いを“王子さま”“王子さま”と安っぽく言及し、同居の高校時代からの女友達に、今日は王子さまがどうした、明日は王子さまにどう言う…と逐一さらけ出すのもなんとも無神経な描写。施設育ちの辛酸に満ちた青春時代を通じ、心に秘めてきた大切な異性の取り扱い方って、オクテで締まり屋で努力家で…という設定のゆりあのような女子、もっとナーバス、潔癖かつ秘密主義なもんじゃないのか。

女友達に「アンタの王子さまってさぁ…」なんて言われ方をしたら、汚らわしくて即絶交もんだろう。

今日はもう一本留守録セットしておいた再放送第1話『真夏の薔薇』のほうに一気に引き込まれてしまいました。96年本放送の“中古”ドラマですが、語り口、人物のキャラの立て方、人物を取り巻く状況の匂わせ方、この人この先どうなるんだろう、過去に何があったんだろうと気がかりにさせる“釣り”力において、『迷宮』とは格段の差があると言わざるを得ません。

当分こちらをメインに視聴することになりそうです。

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