石川県小松市駆け足旅行 02
2015年11月13日(金) 天気 曇り
ホテル→多太神社→JR小松駅→粟津駅→那谷寺→「ゆめのゆ」→加賀温泉駅→京都駅
朝、ホテルを出てから1キロほどの場所にある「多太神社」に向かう。
創建は古く、落ち着いたたたずまいはいかにも由緒のありそうな
感じである。古刹の持つ素朴さがある。
こけおどしのきらびやかさなどとは無縁の、それゆえにあまたの
無辜の歴史をしっかりと懐胎して、これまであり続けてきた社である。
神社関係者数人が境内を掃き清めている。昔なら神官というべき
だろうが、今は何というのだろう。
この社には斉藤別当実盛の兜があるとのことだが宝物殿は未見。
なんでも源義仲が奉納したようである。義仲は一時期、実盛に養育
されていたらしい。
「この所多太の神社に詣づ。実盛が甲・錦の切れあり。往古源氏に
属せし時、義朝公より賜はらせたまふとや。げにも平氏のものにあらず。
目庇より吹返しまで、菊唐草の彫りもの金をちりばめ、龍頭に鍬形打ったり。
実盛討死にの後、木曽義仲願状に添えて、この社にこめられはべるよし、
樋口の次郎が使ひせしことども、まのあたり縁起に見えたり。」
「(おくのほそ道)から抜粋」
「むざんやな兜の下のきりぎりす」
これで小松駅近いエリアから離れて「那谷寺」に向かう。
小松の駅も電車の本数は少ない。乗客数が少ないので仕方がない。
待ち時間が長い。
小松から隣駅の「粟津駅」まで。駅から那谷寺まではタクシー利用。
市営のバスがあるかとも思って探したが見つからない。
那谷寺は小松の市役所などからは離れているが小松市内。
芭蕉は小松→山中温泉→那谷寺→小松というコースを採っている。つまりは
小松の中心街には二度入ったということだ。
那谷寺は観光寺社でもあり紅葉でも有名らしく、そこそこに人が多い。
石の寺として岩盤や岩窟を本尊としているとのこと。別に十一面千手観音像がある。
「山中や菊はたをらぬ湯の匂ひ」
「石山の石より白し秋の風」
紅葉はあきらかに盛りを過ぎていた。散り紅葉もたくさんである。でもまだまだ十分に楽しめた。
芭蕉の「石山の・・・」句は、このお寺のものである。
観光寺社だけど流しのタクシーが捕まえられるわけではない。
運よく空車が来ないものかと待ってるうちに「キャンバス」という乗り降り自由のバスが
来たので飛び乗る。
そのバスがたまたま「ゆめのゆ」という所で停車したので、下車して湯に浸かる。
せっかく温泉地に来たのに、入らないまま帰るのもどうかと思い、のんびりと過ごす。風呂代620円。
風呂からでて、来合わせたキャンバスで加賀温泉駅。サンダーバードで京都。
まずまず思い出に残る小旅行である。