CLASSIC ROCKを聴こう! PLUS

1960年から1980年代のロックを紹介していきます。またPLUSと言うことで、ロック以外の話題も!

マックについての考察、と言ってもハンバーガーやAPPLE PCのことではない

2016年01月28日 | 考察シリーズ
ボブ・ウェルチがバンドから去り、1975年バンド名をタイトルとしたFLEET WOODMACを世に出した。

1975年作 FLEET WOODMAC、全米1位

新生マックの売りは、三人のソング・ライター兼リードボーカルがグループに存在したことだ。それぞれの優れた作詞・作曲の能力に加え、 三者三様の個性的なボーカルにより、今迄のマックになかったバラエティーさが大いに受け大ヒットに繋がったと思う。

元気発剌スタイルのリンジー・バッキンガム、ハスキーでミステリアスな雰囲気を醸し出すスティービー・ニックス、そしてシンプルであるが味わい深いクリスティーン・マクヴィとこれだけ役者が揃えば、後は楽曲の出来さえ良ければ、これほどまでの大ヒットはともかくとして、過去の作品と比べればある程度のヒットは予測出来ただろう…

1979年スタジオ・アルバム、TUSKを出した後、バンドの活動を小休止し、リンジーとスティービーがそれぞれソロ・アルバムを出した。

リンジーのアルバムは少し自身のやりたかった事にのめり込みすぎて一般受けしなかったのか全米32位の中ヒット!

1981年作 LAW AND ORDER

スティービーは、マックの活動の延長にさらなる個性を出したのが、リスナーの嗜好にドンピシャで全米1位の大ヒットとなった。

1981年作 BELLA DONNA

クリスティーンは遅れて1984年に自身の名前を冠したソロ、CHRISTINE MCVIEを出し、安定の全米26位を記録した。

1982年作 CHRISTINE MCVIE

マック初期の主要メンバーだったピーター・グリーンの後を受け、1971年のFUTURE GAMEから正式メンバーとなり、バンドを脱退する1990年までの20年間、メンバーが何度も入れ替わろうともバンドを献身的に支えてきた彼女は、新メンバーになったリンジーとスティービーの派手さを落ち着かせるような楽曲を提供してきた。

個人的にはマックでの彼女の立ち位置を考えると、彼女のソロ・アルバムは少し地味な感じのアルバムになるのではないかと当時思ったが、それは杞憂であったと思う。

何故なら、シンプル・イズ・ベストという言葉があるように、楽曲はシンプルで少し淡白な雰囲気を感じさせるのだが、これが聴く者の心に落ち着きを与え、同じ楽曲を何度聴いたとしても飽きが来ない理由ではないかと…

ボブ・ウェルチ在籍時の中期マックがなぜ成功に至らなかったというのは、ボブとクリスティーンの作る楽曲が双方ともシンプルというか落ち着いたイメージの曲調であったから、若干被っているようなイメージとなりバンドとしてバラエティーさを打ち出すことに欠けていたのが原因ではないか…

そのため、マックから離れ、パリスでのバンド活動を経由しソロになった時、今までになかった弾けたボブ・ウェルチが見られ、後日ソロでのヒットにつながったと思っている。

1976年作 PARIS、不死身のハード・ロックなり

但し、ボブにとってマック時代の曲かそれとも脱退してからのものが好みだったのかは判らない。しかしながら、大ヒットしたEBONY EYEを行く先々のコンサートやテレビ番組などでいつも要求され演奏するのは苦痛ではなかったかと…

ちなみに、クリスティーンはかなり以前にクリスティーン・パーフェクトという名義でソロを出している。マックのベーシストであるジョン・マクヴィーと結婚(その後離婚)してマクヴィーと苗字を変えたわけだが、このパーフェクトはどうも本名のようである。

日本風に書けば、彼女の本名は、完璧クリスティーンでとなる。音楽家としては、後期のマックで大成功を収め完璧と言えるが、もし音楽家でなかったなら… 

誰しもこの苗字の家系に生まれたなら、何をするにもさぞかしやりにくい事になっただろうなと思う。

Christine McVie - Got A Hold On Me