原付とは原動付自転車、すなわち自転車の後輪に小型駆動装置を取り付けたもので、本来の意味なら文字通りといえばホンダのカブにあたる。
見た目は自転車である。
カブとはボーイ・スカウトのジュニアに当たるカブ・スカウトにも使われていて、熊とか狼などの猛獣の子供という意味だ。
つまり小粒ながらもソコソコやりますよ〜と言う事でその原付にカブと命名したらしい。
時は流れて、カブを超える新車、もはや自転車には見えないラーメン店出前御用達のスーパー・カブが登場。
そのスーパー・カブが40年ぶりに先日アメリカで再登場てな話にフ〜ンと感心していたところ、長年の友人から思いがけなくメイルを頂戴し、その後久しぶりに電話で近況報告。
そこで、つい最近機内でアメリカ映画、ベイビー・ドライバーを見たという話になって、サイモンとガーファンクルのBaby Driverと言う曲が映画のエンディングに登場したと言っていた。
アルバム、明日にかける橋に収録された曲で、初期の頃のアコースティック・ギターのシンプルな伴奏のフォーク・ソングに8ビートのエレキ・セットをバックに入れた定番フォーク・ロックではなく、ジャズぽくなっている。
バックのブラスに負けじとご両人声を張り上げて歌っている。
My daddy was the family bassman
俺のとうちゃんはベースマン
My mamma was an engineer
かあちゃんはエンジニア
And I was born one dark gray morn
俺はどんよりした朝に生まれた
With music coming in my ears
音楽を耳にしながらね
In my ears
They call me Baby Driver
奴らは俺をベイビー・ドライバーと呼ぶ
And once upon a pair of wheels
二輪に跨りゃ
Hit the road and I'm gone
道路をかっ飛んで行く
What's my number?
俺、何番だっけ?
I wonder how your engines feel
エンジンの調子はどうかな
Ba ba ba ba
バッバッバッバッ
Scoot down the road
道路をぶっ飛ばす
What's my number?
俺、何番だっけ?
I wonder how your engines feel
エンジンの調子はどうかな
Shine the light
光りを当ててくれないか
と適当に訳してみたが、ここでのベイビー・ドライバーって二輪ライダーのことね。
私もその昔、チョイ乗りで原付に乗っていたことがあった。
当時は、ちょっとしたスクーター・ブームで、スズキはジェンマ、ヤマハはベルーガだったけ。で、私はスーパー・カブの遠い〜親戚にあたるホンダ・タクトに乗っていた。
しかしベイビー・ドライバーのように道路をかっ飛ばすとなると、 原付スクーターじゃ馬力不足でちょいと無理だね。
つい最近、ホンダのスーパー・カブが40年ぶりにアメリカで再発されることとなった話をネットで見た。
リトル・ホンダって言うのは、今ではあの著名なサッカー選手の発言が有名となっているが、実は何と50数年前にリトル・ホンダなる言葉が存在していた。
ビーチ・ボーイズが1964年位出したアルバム、All Summer Longに収録され、またカバー・ソングとしても大ヒットしたLittle Hondaというサーフィン・ロック調の曲のことだ。
これは、当時日本からアメリカへ輸出されていたスーパー・カブがスタイリッシュな小型チョイ乗りバイクと人気を博した事を歌ったものである。
スーパー・カブといえば日本では出前の兄ちゃん、さらに新聞配達や郵便配達の人御用達の商用車で、それほど多く見かけることはない。
しかしベトナムの各地の道路ではスーパー・カブの軍団で途切れなく覆い尽くされている。
信号機のない幅広の道路の横断の始めの一歩を躊躇すれば、ずっと歩道に佇む事となる。
かの地では道路を横断するのは命がけの仕事となる。
横断には色々コツがあって、私の場合は道路を垂直に渡るのではなく、対向車に向かっていく感じで斜めにわたる。
その際一時足りとも気を緩めてはならない。強い気持ちを持って向かって来るバイクの運転手に睨みを利かしながら渡れば、大体の場合相手が直前で避けてくれる。
しかし、かく言う私もかって仕事でかの地を訪れた際バイクにぶち当たられ吹っ飛んでしまったことがある。
道路に止めてあった車に乗ろうと後部座席のドアに手をかけようとした瞬間、背中にひどい痛みを感じた。何とバイクの運転手は車のドアと私との1メートルも無い隙間をまさかの通り抜けの敢行。
私の背中に衝突し吹っ飛ばされた。
シャツの背中の部分がビリビリと裂け血だらけになった。
バイクの運転手も転倒したがそのまま起き上がって何事も無かったかのごとくその場から逃走。
と全くスタイリッシュじゃ無かった昔話をふと思い出した。
日本でのまさかは、海外ではまさかに当たらずってな事で。
皆さんも気〜つけなはれや〜。