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四流コレクターのビー・コレ、その12 似て非なるもの、Beatles For Sale兄弟

2018年09月07日 | BEATLES-BADFINGER関連
ビートルズの初期のアルバムといえば、まだ世界統一規格で販売されていなく、内容のことなった各国編集盤などが登場していた。

今回は、彼らの4枚目のオリジナル・アルバム、Beatles For Sale(ビートルズ、売り出し中)について語ってみたい。

1964年12月4日、Beatles For Saleが英国で販売された。


収録曲はオリジナルが8曲、カバーが6曲の計14曲入りのアルバム。
サイド1
No Reply
I’m A Loser
Baby’s In Black
Rock And Roll Music (Chuck Berry)
I’ll Follow The Sun
Mr. Moonlight (Roy Lee Johnson)
Kansas City (Jerry Leber – Mike Stoller) - Hey Hey Hey Hey (Richard Penniman)

サイド2
Eight Days A Week
Words Of Love (Buddy Holly) Vo. Ringo
Honey Don’t (Carl Perkins)
Every Little Thing
I Don’t Want To Spoil The Party
What You’re Doing
Everybody’s Trying To Be My Baby (Carl Perkins) Vo. George

全編オリジナルで固めた前作、A Hard Day’s Night (AHDN)と比べると、悪くはないが個人的にはカバー曲が多い点でちょっとやっつけ仕事の感があるし、オリジナル曲の出来も少しばかり印象が薄いと感じる。

まあ当時、年に2枚のアルバムを出しさらにツアーもバンバンとスケジュールが組まれていた様なので、曲作りにあまり時間が取れなかったことが原因だと思う。

その11日後の、12月15日に英盤Beatles For Saleをベースにした、アメリカ編集盤が発売。アルバム・タイトルはBeatles ’65でジャケのデザインもアメリカ独自。


かなり地味で暗〜い感じ。

サイド1
No Reply
I’m A Loser
Baby’s In Black
Rock And Roll Music (Chuck Berry)
I’ll Follow The Sun
Mr. Moonlight (Roy Lee Johnson)

サイド2
Honey Don’t (Carl Perkins) Vo. Ringo
I’ll Be Back (英LP AHDNから)
She’s A Woman (英Single I Feel FineのB面)
I Feel Fine (英Single A面)
Everybody’s Trying To Be My Baby (Carl Perkins) Vo. George

リンゴとジョージがボーカルを取る曲以外のKansas City - Hey Hey Hey Hey、 Eight Days A Week、 Words Of Love、 Every Little Thing、I Don’t Want To Spoil The PartyとWhat You’re Doingは収録されず、第一印象としては11曲しか収録されていない廉価盤と言う感じだろうか…

当時のアメリカのレコード業界の諸々の制約などの事情によってアルバム収録曲は12曲以下、さらにアルバムのさらなる売れ行きを狙って先行シングル・ヒットは英盤に収録されていようがいまいが全て米編集ではアルバムに含まれると言う手法により、英盤と異なった選曲のLPアルバムが販売された。

一聴してみると、シングル・ヒットのEight Days A Weekはアルバムから外れたものの、軽快なI Feel FineやメロディアスなI’ll Be Backの収録で、あら不思議!サイド2の印象が激変。

中々よろし〜。

さて、我が国日本では、それから3ヶ月遅れた1965年3月15日にBeatles For Saleが英盤と同じ収録曲で発売される。


ジャケのデザインは英盤とほぼ一緒であるが、タイトルのBeatles For Saleが極太の赤い文字で書かれインパクト大!そして不思議なことに、米盤のタイトル、Beatles ’65が帯に記載されている。


こっ、こっ、これは一体どうゆ〜こと?と思い悩む間も無く、その約3ヶ月後の5月5日の子供の日に、Meet The Beatles、Second Album、AHDN(ジャケのデザインのみが英盤と異なる)、Beatles For Sale(同上)に続く、日本編集盤第五弾、Beatles No.5が発売された。


サイド1
Long Tall Sally (英EP Long Tall Sallyから)
She Loves You (独Single German Ver.)
Anna (英 LP PPLから)
Matchbox (英EP Long Tall Sallyから)
You Really Got A Hold On Me (英LP With The Beatlesから)
She’s A Woman (英Single I Feel FineのB面)
Ask Me Why (英 LP PPLから)

サイド2
I Feel Fine (英 Single A面)
I Want To Hold Your Hand (独Single German Ver.)
Chains (英LP PPLから)
Slow Down (英EP Long Tall Sallyから)
All I’ve Got To Do (英LP With The Beatlesから)
I Call Your Name (英EP Long Tall Sallyから)
This Boy(英Single I Want To Hold Your Hand のB面)

ジャケのデザインはアメリカ編集盤、Beatles ’65からパクるも、収録曲は独自。

英盤LPに収録されなかったコンパクト盤 Long Tall Sallyから全曲持ってきたり、ドイツ語バージョンのShe Loves You やI Want To Hold Your Handも加えるなど、オリジナル・アルバムとしてのインパクトは無。やっつけ感満タン。

(4曲入りコンパクト盤)

アメリカ盤と英盤で若干編集の異なる曲とか、またステレオ/モノ音源に特に拘らねば、2009年のリマスターCDボックスさえ持っていれば、PCに取り込んでこれらのアルバムを再現できる。

しかしながら、私の様な愚かな四流ビー・コレクターとしては似て非なるものならぜひ買わなければと言うわけの分からぬ脅迫観念に押し流され、昔買い逃したアルバムをシコシコと収集することに成ってしまう。

まあ、中古で買うのは安物ばっかりだけどね。