デイブ・カズンズ率いる英フォーク・グループ、ストロベリー・ヒルズ・ボーイズが結成されたのは1964年のことで、その3年後にはトリオ編成のストローブスとして英A&Mからメジャー・デビュー。
70年代になってキーボードにリック・ウェイクマンを擁し従来のフォーク・ロック路線にプログレ風味が加わった。リックのイエスに加入によりキーボードを新たにリクルートし更にプログレ化に拍車が掛かりアメリカでもぼちぼち人気が出始める。
そして1975年、英プログレ・バンド、ストローブスの8枚目のスタジオ・アルバムとして出たのがNomadness。
プログレ・ロック時代を支えてきたキーボードのジョン・ホーケン(初期のルネッサンス在籍)が脱退し, 正式メンバーは4名となった。
このアルバムには計10曲が収録されていて、今回はそれまでのテーマに沿った物語的組曲はなくなり、またそれまでのバンドの方向性であったダイナミックなプログレぽさがやや薄らいだような....
Nomadnessって放浪者って意味があり、それ故現状放浪中ってことで一旦立ち止まってさまざまなスタイルの曲を5分以内にコンパクトかつ丁寧に作り込みそれらを全方向に向かって発信を試みる一品料理集って感じ。(ジェネシス風アップ・テンポなロック、シンプルなロックン・ロール、フォーク、ブルース、カントリー、フォーク、ポップ、プログレ風フォーク、フォークに最後はプログレ風ロックとバラエティーに富んでいる。)
残念ながらその構想があまり刺さらなかったのか、このアルバムは本国イギリスではチャート・インせずアメリカでも前作の47位から147位に後退と売り上げ的には精彩を欠いた。
最近たまにノマドって言葉聞くけれど、確たる方向性を見出せず何となくフワリと生きて来きて現状オジンになってしまったオイラにはそれって結構親近感ある言葉ですね。