炎天下のお墓参り

2010年07月28日 | 自分 -

来月4日には、我が師のような人の七回忌を迎える。
かねてから、いつか(密かに)お墓参りをさせて頂こうと考えていた。

今日、たまたま菩提寺のある「麻布十番」に、仕事で行く機会があったので、
大きなお花を買って、早速、お寺を訪ねた。

私にとっては、そこへは、初めてのお墓参りである。

古くからあるお寺さんのようで、お墓の年数を見ても、歴史が感じられた。
このお寺は、鍋島家の菩提寺。
昭和11年の2・26事件の関係者22名の墓も、ここにあるそうである。



炎天下の中、まだ見ぬお墓を探して、まるで迷路のように墓地を歩き回った。
「見つけさせてください。呼んで下さいよ」と念じながら、歩いたが・・・
汗が飛び出してくるほどの迷路のような構図になっていて、私が落胆したとき、
す~っと(不思議と)見つかった。
ご家族は、数日前の週末に七回忌法要を終えられたようで、新しい卒塔婆が
たくさんあって、戒名もその人の下の名前がそのまま使われていたので、
すぐにわかった。

大好きな煙草が供えられていて、燃えかすのフィルターだけが残っていた。
炎天下なので、花をさしていた水も干上がっていて、まるで「ぬるま湯」状態だ。


私は、仏式花ではなくて、生前のようなイメージで、煌びやかな洋花を持って行った。
それも桃色(ピンク)の大きな花で、喜んでくれるかどうかわからなかったが、
ほんの数日でも、華やかな環境で過ごしてほしかったから・・・・。
お墓をなでたりして、ひとしきり独りで過ごしたが、何のメッセージも届いてこない。
自分の中にも、少し目頭が熱くなるぐらいで、楽しい思い出だけが駆けめぐるだけだった。



お墓参りの後処理を追えて、暑い中、とぼとぼと帰路についていたところ・・・
寺の鐘の下に座っていた、見知らぬ若者に、突然、会釈をされた。
「来てくれてありがとう」と言われたような気持ちが、なんとなくして・・・・
勝手に・・・そんな気がして・・・・ちょっと涙があふれてきた。
もう少し墓前でいたかったのと、ゆっくりと落ち着いて語れなかったのが心残りで、
そういう気持ちもあってか、複雑な感情が湧いてきたのだろう。

もう七回忌か・・・・。
私の母が十三回忌になるはずだ。


時の過ぎ行くのは、本当に早い。
大切にしないと、あっという間に、人生なんて終わってしまいそうな気がした。
今度は、迷うことも無いので、ゆっくりと時間をつくってお参りに行こうと思う。