「黄砂」現象の被害

2010年11月16日 | 環境 -

ほんの数日前まで地方に滞在していたが、「黄砂」によって、大きな影響を受けた。
晴天の日だったのに、空はどんよりと曇って、太陽に出逢うこともなく・・・・
切ない灰色の空をずっと見上げていた。
高村光太郎の妻:千恵子が言った言葉(東京は灰色。空がない。本当の空が見たい)を
思い出しながら、雲でもない、スモッグでもない、奇妙な「黄砂現象」について、
あらためて感じることが多くあった。
一昨日は東京にも「黄砂」が若干降りたようで、本当にどんどんと海を越えてくる砂に、
いろいろな意味で悩ましい・・・気分がする。
そして、それと同時に、やはり日本だけが頑張っていても、海を越えた他国からの影響が
このようにして自国に弊害をもたらすことを、現実的に経験し、非常にショックを受けた。

地球は、つながっていて、「ひとつの生命体である」ということを・・・・
切実に感じる。



気象現象としての「黄砂」は、大地や大気の条件が整うと、発生すると考えられている。
発生の頻度には季節性があるようだが、春が多く、比較的遠くまで運ばれる傾向にある。
ただ、春に頻度が極端に多いだけであり、それ以外の季節でも発生しているようだ。
まさに、私が経験した数日前の現象のように・・・・。

気象庁の「黄砂レーダー」というものを閲覧すると、かなり明確に把握できる。
発生した場所や、その砂ほこりなどの状態などが、チェックすることが可能だ。


黄砂は国をまたぐ範囲で、あらゆる被害を発生させ、しかもその程度は地域差がある。
発生地に近づくほど被害は大きくなり、屋外の物品に砂ぼこりが付着して汚したり、
周囲の見通しや日照を悪化させたりする。そのほか、交通に障害を与えたりもするし、
人間や家畜などが砂ぼこりを吸い込んで健康に悪影響を与えたりすることもあるようだ。
私の知人もそのようなことを言っていた。
実際、設備機器や精密機器などの中に、細かい砂が入って、破損したというケースもある。
私たちの今回の被害は、内部に砂が入って稼動しなくなった精密機器のトラブルだ。
とにかく、多数の被害が発生している。
(経済的損失は日本円に換算して毎年7000億円を超えとされる)




今回、私は・・・・正直に言うと・・・「黄砂」のことは知っていたものの・・・
「洗濯物が汚れて大変」程度にしか感じていなかった自分を、とても恥ずかしく思った。
やはり、「現実に被害を受けないと、その切実感はないものなのだ」と、率直に感じる。

地球上にある大きな弊害や、危惧するべき脅威(菌やウイルス)などが、この数年は
異状発生して、世界中の環境に何らかの影響を与え続けている。
これが、軽い状態であれば・・・・まだ日常生活も送れるけれども、いつか大きな事件や
大変な損害をこうむるようなことにならないように、ただ祈るのみである。


何から手をつけていいのか分からない。
けれども、やれることからやらないと・・・・いつか手遅れになる。
それだけは、おぼろげながら “確信している事実” でもある。
だから、「今」なのだ。