仕事で波形をチェックすることもあり、その度に家にも一台オシロが欲しいなあと思う。しかし高価な買い物の割りに自宅での使用頻度を考えると償却できないのは目に見えているし、校正などのメンテナンスまでを考えるとやはり重荷だ。オシロに限った事ではないけれど、齢四十を越えると高額な買い物をするときにふと頭を過ぎるのが「これを買ったら死ぬまで使うかもしれない。文字通り一生ものになるかも知れんなあ」ということ。若いうちはそうでもなかったが、死という現実が遠い未来のことでは無くなり、20年、30年という短い時間しか自分には残されていないという現実に直面し戸惑うようになった。黒澤明の「生きる」ではないけれど、悲観的な話ではなく冷静に残りの人生に見合う消費活動を考えなければいけない歳なのかもしれない。
なにもせんほうがええ
なにもせんほうがええ