Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

柳美里さんの岸田國士戯曲賞選評

2021-10-02 | Weblog

柳美里さんが、ご自分の、直近の岸田國士戯曲賞の選評を、賞の主催者・白水社が公式サイトに掲載しないということから、選考委員を辞した。そして、その選評と経緯を説明する文章が、2021年9月21日刊行『ゲンロンβ65』に掲載された。

同賞の最年少受賞者である柳美里さん同様、この賞は二十代の私を初めて公式に認めてくれた場であった。感謝している。かつて二期六年にわたり同賞の審査員を務めたこともある私だが、今回のことでは、白水社さんに対しては、ただ素朴に、「掲載すればいいのに」と、思う。彼女の選評を「イレギュラー」なものと捉えたのかも知れないが、私の感じるところでは、ここ二十年くらいの間、白水社さんこそ、ある意味、岸田賞に於いては、受賞作に対して「イレギュラー」を求めてきたのではないか、とも思うからだ。その話は長くなるから、やめておく。

本文中、柳さんの、

「物書きだって、米を買う。パンを買う。(中略)〜宿泊費、宅配便代、切手代、冠婚葬祭の香典、結婚式の祝儀、お年玉、喫茶や飲食などの交際費も馬鹿にならない。」

という、暮らしの中で何にお金がかかるかという、細かく長い記述が面白いし、

孫引きされている高樹のぶ子さんの芥川賞選評「絶対文学と文芸ジャーナリズムの間で」、

「作家は自分の中に絶対文学とも呼べるものを持っている。ほとんど生理的なレベルで。」

で始まるこの文章が、読みがいがある。

もちろん意見はいろいろ違うはずだが、柳美里さんのこの文章に私は励まされるし、読めて良かったと思うし、彼女の存在を貴重に思う。

 

第65回岸田國士戯曲賞に寄せて|柳美里(2021年ゃゃ9月21日刊行『ゲンロンβ65』)

https://genron-alpha.com/gb065_02/?fbclid=IwAR3Kcpmviys64a7Wn2koELmBER8oJ7cBB1teFioYl3imJKZA7hA_hPt9TXQ

 

 

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松山名物・三津浜焼きの断面

2021-10-02 | Weblog

松山名物・三津浜焼きの断面。

ソバも入っていて広島焼きに似ているが、生地の部分を半分に折って半月型である。

昔の岡山には、ごくたまにこのタイプの物を出す店があった。

旅の記憶シリーズ、いつまでつづくのか。

 

 

 

 

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下地氏の犯罪があの時わかっていれば、宮古島に自衛隊はなかった

2021-10-02 | Weblog

宮古島前市長、下地敏彦被告(75)の初公判が1日、那覇地裁(小野裕信裁判長)であった。沖縄県宮古島市への陸上自衛隊配備の候補地の一つだったゴルフ場の取得についてだ。被告側は現金は賄賂ではなかったとして無罪を主張したという。

もう四年半も前、私は石嶺香織さんの市議補選出馬の応援に、今は南城市議である宮城康博氏も誘って駆けつけた。市長選挙との同時選挙だった。当然ながら下地被告の対抗馬である奥平候補の応援にも回った。

私は下地市長下の宮古の議会を何度も傍聴した。横暴きわまりない議会であり、市長だった。

あのとき、自衛隊配備を推進する下地陣営と、それに反対する私たちのたたかいだった。

その時既に、市長に対する疑惑の指摘は出ていた。

その時の選挙結果は、石嶺香織、当選。二十六人の市会議員の中で、唯一の女性議員の誕生となった。
しかし、奥平市長候補は三百余票の僅差で現職下地氏に敗れた。

下地元市長の犯罪がなぜ今になって暴かれるのか。あの僅差をひっくり返せていたら、下地氏の犯罪はもっと早く露見しただろうし、そもそも宮古島にこのような形で自衛隊基地が作られることはなかったはずだ。

自衛隊のない宮古市島を返せ、と思う。

悔やんでも悔やみきれないし、なぜあの時下地がきちんと調査を受け、逮捕されなかったのか、理不尽さが募る。用済みだから、今やどうなっても構わないということなのだろう。

病んでいる。腐っている。この国の隅々まで、ということを、改めて思い知らされる。

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