『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』東京公演、本日よりチケット発売開始いたしました。
お電話やWebフォームによる「当日精算」でのご予約の他、ご自身でお席を選んで発券して頂ける「燐光群オンラインチケット」もございます。
http://rinkogun.com/Seattle_Tokyo.html
本作のタイトル「シアトルのフクシマ・サケ(仮)」の「(仮)」は、正式名タイトルです。「シアトルのフクシマ・サケ カッコカダイカッコトジル」と読みます。
なぜ「(仮)」を最後まで外せなかったかは、本作を御覧になってお確かめください。
燐光群は今年、2月『草の家』、6・7月『別役実短篇集 わたしはあなたを待っていました』、7〜9月『悪魔をやっつけろ〜COVIDモノローグ〜』全国ツアーと、上演を続けてまいりました。コロナ禍下でありながらも劇場に足をお運びいただき、また、活動をご応援いただき、心より感謝申し上げます。
この秋には、坂手洋二の書き下ろし・演出『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』を上演いたします。11月19日(金)に座・高円寺(東京)で幕をあけ、岡山市立市民文化ホール、愛知県芸術劇場(名古屋)、AI・HALL(伊丹)でのツアーも行います。
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「私は間違いなく、アメリカはシアトルを舞台に、福島で震災と原発事故の被害に遭い、移転を余儀なくされた酒蔵の人たちの、移住後の奮闘について書こうとしていた。ところが、コロナ禍下ゆえ、予定していたアメリカへの取材が果たせなかった。私たちの世界はなぜこのような状況にあるのか、私は今どこにいるのか、そのことそのままを、芝居にしようと思う。 演劇は、現実に負けない。それを証明しよう」(坂手洋二)
2011年3月、東日本大震災後、福島第一原発から数キロ以内に住んでいて避難した人たち。帰還困難区域となってしまった酒蔵を捨て、三百年の歴史を誇る地酒の復活を目指しシアトルに移住、新酒蔵を建造しようと動き出した家族たち。もともとシアトルに移住していた沖縄出身の人たちは、慣れぬ土地で戸惑いながらも生きてゆく彼らを出迎え、見守る。そして、やはり自分たちの酒蔵に戻れず、日本に残された者たち。彼らは国内であがき苦しみながら、自分たちの現実を乗り越えるため、行動する。
メルヴィルの世界と、震災後の福島・高野病院、原発宣伝広告アーチ撤去等の現実を交錯させ、国際的な話題作となった『バートルビーズ』に続き、燐光群が「震災後の時間」を取り戻そうとする「不可能性の物語」から、私たちの現実を照射する。
そして本作は、「日本酒」の魅惑、その歴史と製造のディティールの魅力も描きだす。