さくら草の日記

日々のつれづれをつづります

蝉の背は

2011年08月08日 | 短歌


力尽き羽化できぬまま蝉の背は薄き緑に乾きゆくなり


左の手を傷めたその幼虫は
芝生の真ん中を移動中だった
自然に任せ人が触れるべきではなかった・・・

金芽ツゲの幹に這わせたら
すぐに羽化が始まった

背がこんもり盛り上がり
体を左右に揺らし
薄緑の背が表れ
羽化が進む

目が離せない

30分ほど経ち
あと一息というところで
幹をつかんでいた手が離れ
地面に落ちた

しばらく動いていた体は動かなくなり
薄緑の背は乾いてゆくばかり・・・

つわぶきの葉で包み
蜜柑の木の下に
埋めた

コメント
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