黒柴ひめちゃんの葛塚村だよりⅢ

葛塚城堀之内に住んでます。毎日歩いているひめちゃんとおかあさんの見て歩きです。時には遠くにも出かけます。

流石の猛将目もくらみ(宗綱短気に依って不慮の最後の事 ・ その 3)

2025-03-13 15:22:03 | 桐生老談記の世界

晴れて暖かい一日になりました

ひめちゃんとタバサねーちゃんは、昼間はテラスのお部屋で過ごします。

厳しい冬で、ほとんど室内犬の日々でした。

これからは昼間は、お外犬で過ごしてもらいましょう

 

2020年4月の、小次郎パパと獅子丸です。

似てなくはないけれど、やっぱりママ似かな

獅子丸の足は、七海ママの足です

 

 

 

宗綱短気に依って不慮の最後の事 ・ その 3


やぐらに上より是を見て、敵か味方かと声懸けるに、返答なくば討ち取ると、口々に呼ばわれども、しころをかたむけ、既に番所へ乗り懸けたり。

番所にも防がんと、或いは丸木または薪をなげ、弓手馬て(ゆんでめて)になげ打てば、馬もすくんで立つところに、屋ぐらの上より打つ鉄砲真首に当たれければ、流石(さすが)の猛将目もくらみ、馬よりどうと落ちけれども、漸くにおき上がり、田畔(たぐろ)に越を懸け、今は是までなりと思い定めて、指添え(わきざし)を抜き、鎧の引き合いに押し立て、無体に自害なされしはいたわしさもまた、あさましき有様なり。

時に大勢打ちかさなり、いまだ御息もたえざれば、名のれ名のれとせむれども、終に息切れ失せ給う。

さては死骸をよく見るに、白綾に練り絹の裏を打ったる下着し、鎧は五色の糸をとじ、竜頭の兜を着し、金作りの達をはき、鹿毛なる駒のたくましきに乗り金覆輪の鞍を置く、其の出で立ちのはなやかさ、何様常の武者ならず。

一方の大将とみえたり。

後日、子細は知れるべしと、戸嶋七右衛門という者に、此の馬預け起きて、死骸を片付け鳴りを静めて居たり。

 



あらすじです。


鎧兜に身を固めた武者がただ一騎で、飛駒の城にやって来ました。
ただ突進してきます。
足利方が櫓の上から撃った鉄砲が武者の首に当たりました。
さすがの彼も馬から落ちて自害しました。
その死骸のいでたちの華やかさは、ただの武者ではなく、かなりの大将とみえました。



あまりにお粗末すぎる、佐野宗綱の最期です
飛んで火に入る夏の虫以下の、こんな戦国武将はいないでしょう
ちょっと作者が、ストーリーを簡単に作りすぎていますね

須花の正光寺、昨年11月30日に再訪しました。

正光寺には、佐野宗綱と家臣団の五輪塔群があります。

願はくは花の下にて(須花正光寺・佐野宗綱の記憶2)

このあたりは須花城出城の正光寺城であったということです

一般的に言われる佐野棟綱討ち死にの地は、もっと足利より、大将の須花トンネルの上です。

 

 

初稿  2020.05.05  FC2ブログ「黒柴ひめちゃんの葛塚村だより」

改稿  2025.03.13

 


( 宗綱短気に依って不慮の最後の事 終  )

 

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