オカブは極めて無粋な朴念仁なのだが、少しは紳士の嗜みというものを身に着けたいと思ったことはあった。
行きつけの飲み屋を見つけて、通ったりもした。
しかし、所詮にわかに過ぎない斯道であって、もともとその素質がないのだから、本人も楽しいはずがない。
だいたい、もともと女にもてる質ではないので、まったく見込みがない。
そこで、今では、そういう店に出入りすることもないし、そういう世界に興味もない。
ただただ山芋のように土に埋もれているだけである。
行き会えば茶屋の女将や一の酉 素閑
オカブは極めて無粋な朴念仁なのだが、少しは紳士の嗜みというものを身に着けたいと思ったことはあった。
行きつけの飲み屋を見つけて、通ったりもした。
しかし、所詮にわかに過ぎない斯道であって、もともとその素質がないのだから、本人も楽しいはずがない。
だいたい、もともと女にもてる質ではないので、まったく見込みがない。
そこで、今では、そういう店に出入りすることもないし、そういう世界に興味もない。
ただただ山芋のように土に埋もれているだけである。
行き会えば茶屋の女将や一の酉 素閑
オカブは新卒で就職して以来、随分と職を替わった。
最初に入った会社は、今を時めく証券会社だった。
しかし仕事は猛烈。
堪らなくなり逃げ出した。
しかし、その当時は今と比べて、古き良き時代で、まだのんびりとしていたというのに・・・
その後、当時は珍しかったIT,ソフトウェア会社に入った。コンピュータ時代の先駆けの頃である。
その会社は経営が杜撰なこともあり、業績が傾いた。
転職を考えた。
ヘッドハンターに相談すると、ソフトウェア会社?と怪訝な顔をされた。
まだ、そんな時代だった。
その後、IT関連の会社を数社経て、独立した。
独立したと言っても看板だけである。
鼻糞をほじって暇にしている。
この先、どうなるか分からないが、野垂れ死には確実である。
今は冥土の旅の準備をしているところである。
銀杏や小暗き床の和尚の偈 素閑