ことし酒

昨日の11月12日の日曜日の午後、オーストリアワインの新酒「ホイリゲ」を祝うパーティーに青山まで行ってきた。
ワインの新酒だから、ボージョレ・ヌーヴォーのように解禁日がある。
オーストリアの場合、それは聖マルチンの日で11月11日に当たる。
だから解禁日の翌日である。
このパーティーはオーストリアワインの輸入元『オーストリアワイン・ドットコム』の経営者が主催したもの。
能登は輪島の食材とのマリアージュがテーマだ。
美味しいワインと美味しい料理に大満足。
そして、いろいろな経歴の持ち主と知己になれて会話も弾む。
海外経験が豊富な人が多く、話題も楽しく多様だ。
楽しいひと時だった。

辛き日もありと思えどことし酒　　　素閑

 

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ししゃも

仏文の異端児、澁澤龍彦氏の墓所は、鎌倉の浄智寺にある。
もう、かれこれ十年前に尋ねたことがある。
氏は仏文学者として名を馳せたが、意外とその分野で執筆した専門書は少ない。
マルキ・ド・サドの研究書が専らの物である。
ただ、彼は、サドを含むフランスの小ロマン派の研究にかけては濫觴的存在で、エッセーともいうべき『悪魔のいる文学史』では、その渉猟した希少な詩人たちが綺羅星のように並べられている。
フランス文学という学問の本流からは外れた澁澤だが、その存在は今でも貴重と言える。

ししゃも焼く蒲団のぬくき朝となり　　　素閑

 

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