風雅の弁えというものは大切なことだが、世知辛い世の中である。
そうそう花鳥風月の世界に浸っているわけにはいかない。
飯の心配もしなければならないし、税金の心配もしなければならない。
世の煩いにも悩みつつ、雅尽くしも味わうというのが丁度いいのかもしれない。
世の中、バランスが肝心である。
銭勘定に狂奔しているのも愚かだし、ミソヒト文字だけに精魂を傾けているのも、お前の食い扶持はどうなっているんだということになる。
まあ、妥協しつつ、譲りつつ、過ごしていくというのが世の中というものである。
ばせを忌や冬日さんさん照りにけり 素閑
翁の忌鼠這いずる天井や 素閑
寺の様いわくありげの芭蕉忌や 素閑
子の嫁する日を夢見るに芭蕉忌や 素閑