大学の時、山岳サークルに入っていた。
年に何回か合宿があった。
冬山には何回か行った。
しかし春山には一回も行ったことがない。
春山と言っても、入試時期に入って学校が休みになる2月の半ばだ。
なぜ行かなかったというと、冬山で酷い凍傷になって、冬から春は脚を引きづって歩いているのが常だったからだ。
なぜ、凍傷になりやすいのかは分からない。
他のパーティーのメンバーは凍傷など全くならない。
靴が悪いのかと、ヒマラヤで履くような特別製の靴を買ったが駄目だった。
3度と言う足指の切断を要する凍傷の治療には、開腹手術をして交感神経を切除することが行われるという。
これには思い当たる節がある。自分は交感神経が実に興奮しやすい体質なのではと思っている。
だから、すぐに腹を立てたり、眠りに入るのに時間がかかったりなどの症状があらわれてくるのではないか?
だから凍傷になりやすいのだ。
冬山などとは全く縁のなくなったこの頃、こんなことを考えている。
冬菫寄る辺なき子の泣く声や 素閑
冬菫露も置かざるあれしとね 素閑
冬菫望郷のゆめ涙濡れ 素閑
冬菫さんさんと照るこほりの陽 素閑
明日は炉にくべるはならじ冬菫 素閑
鉄材の脇に咲きけり冬菫 素閑
猛将の冬菫取るみやびかな 素閑
冬菫榛名への路いてにけり 素閑
冬菫こひした日々も忘れ去り 素閑
冬菫川を木で打つ童かな 素閑