季節に春の香りがしてくるとどこか旅に出たいが、かーたんが病身なのでそうもいかぬ。
ごくごく自宅の近辺の花鳥風月を愛でるのみである。
こういうのを、プチ引きこもりとでも言うのであろうか?
都内から出たのは、月初にコンサートに川崎まで行ったのが唯一である。
ドイツの哲学者、イマヌエル・カントは生地を出なかった。
一生の間、生地のケーニヒスベルグで暮らし、そこから一歩も出なかった。
しかし彼はそこで宇宙を観、宇宙を考察し、宇宙を語った。
偉大である。
オカブはカントと比較のしようもないどーしようもない爺である。
カントを引き合いに出すのもおこがましい。
しかし今の引きこもり状態はなにか似ている。
寒すずめひもじうてなら手こそこよ 素閑
寒すずめ弓の月こそ愛でにけれ 素閑
寒すずめ筆を持つ手を止めにけり 素閑
黄泉の世は昏き限りや寒すずめ 素閑
寒雀けふよあしたと飛びすがり 素閑
寒雀わが戸にきなば米たまふ 素閑
寒雀わたげも薄くしばかれよ 素閑
意地張れど寒すずめども寂しかろ 素閑
寒すずめ夜半に枕す巣のありか 素閑
寒すずめ窓にガラスの花瓶かな 素閑