宮城県石巻市のはずれ釣石神社はあります。この神社にある岩が落ちそうで落ちないのです。度重なる災害にも落ちずに耐えたことから、近年では受験や就職の際の「落ちない」=合格のご利益にあやかろうという、人気のスポットになっています。宮城県のパワースポットでは常に上位に位置します。
3.11の東日本大震災で近辺は大きな被害があり、現在アクセス道路の整備中です。
この神社の利益は、受験だけにとどまらず「夫婦円満」「縁結び」「子宝」「豊漁」「長寿」とたくさんあります。昨年末に実際に行ってきました。
釣石神社は北上川北岸の、河口に近いところにあります。
「釣石」を「つるいし」と読んでいたそうですが、現在では「つりいし」の読み方をします。
1618年頃に産土沢の山から今の場所に遷されました。昔は「釣石大明神」とも呼ばれていましたが、それ以上のことは明らかになっていません。ご祭神は「学業・知恵の神」とされる天児屋根命(あめのこやねのみこと)です。「天岩戸神話」では天照大神が岩戸に隠れた時、気を引くために岩戸の外でお祭りをしました。その際に天児屋根命が祝詞を上げたことが「知恵の神」とされれる由来だそうです。岩が亀の頭に見えることから「長寿」のご利益も得られます。
落ちそうで落ちない岩が、釣石神社のご神体でもあります。周囲14mもあるこの岩ですが、本当に今にも崖から滑り落ちて来そう名状態です。しめ縄でしっかりと釣り上げられているのかのように見えますが、八戸工大の学生が協力しているそうです。
今にも落ちそうなご神体ですが、度重なる災害にもびくともしないのです。昭和53年の宮城県沖地震でも大丈夫、平成23年の東日本大震災ではこの辺り一帯も津波に襲われ、社務所や鳥居などが流されてしまいましたが、この岩は無事でした。
そのことから「落ちない」パワースポットとして、受験生が多く訪れています。受験生だけでなく、会社の経営者が業績が「落ちない」といった願掛けで来られるそうです。
「落ちたくない人」はぜひ訪れておきたいパワースポットです。
ご神体と対をなしているのがこの舟形の岩です。この岩の大きさはなんと8m×4.5m。
釣られて?いる岩が「陽(男)」、この岩が「陰(女)」で陰陽石のご神体と言われています。
「陰陽石」は「夫婦石」でもあることから「縁結び」「夫婦円満」「子宝」といったご利益も授かります。
鳥居をくぐると急な階段があります。本殿への階段です。鬱蒼と樹木が繁る階段は、この神社がパワースポットであることを実感させられます。階段を登っていると、不思議な感覚がします。それは階段横にあるご神体が間近に見られるからでしょう。階段の幅も狭く非常に急です。足を踏み外さないように十分に気を付けてなければなりません。階段の中腹に東日本大震災の時の津波到達点の看板があります。
本殿はとても簡素です。大きいわけでも立派なわけでもなく、ごく身近にある神社の本殿です。 本殿のある場所から見下ろす北上川の雄大な流れは絶景です。
釣石神社の「落ちない」ご神体は、幾たびの災害にも耐え、現在もその姿を留めています。受験シーズン真っ盛りの今祈願する側からすれば、これほど頼もしいことはありません。最後の神頼み、「落ちたくない」人は、釣石神社で「落ちない」ご利益にあやかってみてはいかがでしょうか。
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