人に見せないことを前提としている場所に、人間性が表れるような気がする。
たとえばスカートの中。
隙のないおしゃれをする人はここにも手を抜かず、誰に見せるわけでもないのにレースで彩られた下着を身に着けていたりする。あっぱれである。
そして、目的のためには手段を選ばないタイプの私は、寒いときにはこっそり毛糸のパンツを履いたり、腹痛があれば腹巻をしたりする。
服もまたしかり。
ブラウスの下にババシャツなんていうのもアリだ。
どうせ見えないんだからいいじゃん!
しかし、油断大敵とはよく言ったもので、いつかギャフンと言わされるときが来る。
ある朝出勤したら、職場にレントゲン車が止まっているのに気づいた。
そうか、今日は健康診断なんだっけ。
思い出したとたん、一気に血の気が引いた。
ガ、ガードル履いてきちゃった……!!
見られて困るものは、他にもある。
先日、パソコンが起動しなくなり、修理のためにサービスマンを呼んだ。
「では、ハードディスクから必要なデータを取り出したあと初期化して、直るかどうか試してみましょう」
バイクでやってきた若いエンジニアが修理の手順を説明した。私と夫は彼に従い、データの取捨選択をすることになった。
「この『運動会』は必要ですか? ずい分容量が大きいですね」
「あ、それはバックアップを取ってあるからいらないです」
こんな調子で個別にファイルを確認していたら、エンジニアの手が一瞬止まったような気がした。
「……この『砂希ちゃん様』というフォルダはどうしますか?」
ゲッ!!
こちらの思考も一時停止した。
それは私のエッセイを保存してあるフォルダなのだ。まさか、他人に公開する日が来るとは思わなかったから、ふざけた名前をつけたのだった。
「そっそれは消して構いませんっ」
私はすっかり取り乱して答えた。
「本当に消しても大丈夫ですか? 一応ファイル名を確認してみてください」
頼んでもいないのに、彼はフォルダをクリックして、わざわざファイルを表示した。
いいもの見たゾウ きみはペット以下
クチニニガシ すべり込みだよ、人生は
マッチョなピーマン 横取りセンセイ
禁断の焼き鳥 男の敵
猫の倍返し ズボラー
「なに、この変な名前~!」とバカにされそうなファイル名のオンパレードだ。私は部屋からトンズラしたくなった。
夫も彼も口を半開きにして、無言で画面を眺めたままだった。
そのとき、前回の更新に必要な下書きファイルがあったことを思い出した。
「あ、『映画でワハハ』だけ残してもらえますか?」
「『映画でワハハ』ですね。わかりました」
心の中はいざ知らず、エンジニアの彼はまったく気にしていない素振りをした。眉ひとつ動かさず淡々と作業を進めていく。
こういうときは、相手が無反応のほうがいたたまれない気分となる。
恥ずかしい思いをした甲斐あって、2時間後、めでたく我が家のパソコンは復活した。
「ああ、パソコンね。俺も赤っ恥をかいたことがあるよ」
友人の伊東は、昨年、不調のパソコンを電気屋に持ち込み修理を依頼した。
まもなく、自宅に電話がかかってきた。
「マイドキュメントに保存されている『ナースと乱パー』というデータが消える恐れがありますので、バックアップを取りましょうか?」
伊東もまた、見えないところで何をしているのかわからない男だったのだ!
さて、あなたのスカートの中やパソコンには、何の問題もありませんか?
お気に召したら、クリックしてくださいませ♪
※姉妹ブログ 「いとをかし」 へは、こちらからどうぞ^^(11/9更新)
たとえばスカートの中。
隙のないおしゃれをする人はここにも手を抜かず、誰に見せるわけでもないのにレースで彩られた下着を身に着けていたりする。あっぱれである。
そして、目的のためには手段を選ばないタイプの私は、寒いときにはこっそり毛糸のパンツを履いたり、腹痛があれば腹巻をしたりする。
服もまたしかり。
ブラウスの下にババシャツなんていうのもアリだ。
どうせ見えないんだからいいじゃん!
しかし、油断大敵とはよく言ったもので、いつかギャフンと言わされるときが来る。
ある朝出勤したら、職場にレントゲン車が止まっているのに気づいた。
そうか、今日は健康診断なんだっけ。
思い出したとたん、一気に血の気が引いた。
ガ、ガードル履いてきちゃった……!!
見られて困るものは、他にもある。
先日、パソコンが起動しなくなり、修理のためにサービスマンを呼んだ。
「では、ハードディスクから必要なデータを取り出したあと初期化して、直るかどうか試してみましょう」
バイクでやってきた若いエンジニアが修理の手順を説明した。私と夫は彼に従い、データの取捨選択をすることになった。
「この『運動会』は必要ですか? ずい分容量が大きいですね」
「あ、それはバックアップを取ってあるからいらないです」
こんな調子で個別にファイルを確認していたら、エンジニアの手が一瞬止まったような気がした。
「……この『砂希ちゃん様』というフォルダはどうしますか?」
ゲッ!!
こちらの思考も一時停止した。
それは私のエッセイを保存してあるフォルダなのだ。まさか、他人に公開する日が来るとは思わなかったから、ふざけた名前をつけたのだった。
「そっそれは消して構いませんっ」
私はすっかり取り乱して答えた。
「本当に消しても大丈夫ですか? 一応ファイル名を確認してみてください」
頼んでもいないのに、彼はフォルダをクリックして、わざわざファイルを表示した。
いいもの見たゾウ きみはペット以下
クチニニガシ すべり込みだよ、人生は
マッチョなピーマン 横取りセンセイ
禁断の焼き鳥 男の敵
猫の倍返し ズボラー
「なに、この変な名前~!」とバカにされそうなファイル名のオンパレードだ。私は部屋からトンズラしたくなった。
夫も彼も口を半開きにして、無言で画面を眺めたままだった。
そのとき、前回の更新に必要な下書きファイルがあったことを思い出した。
「あ、『映画でワハハ』だけ残してもらえますか?」
「『映画でワハハ』ですね。わかりました」
心の中はいざ知らず、エンジニアの彼はまったく気にしていない素振りをした。眉ひとつ動かさず淡々と作業を進めていく。
こういうときは、相手が無反応のほうがいたたまれない気分となる。
恥ずかしい思いをした甲斐あって、2時間後、めでたく我が家のパソコンは復活した。
「ああ、パソコンね。俺も赤っ恥をかいたことがあるよ」
友人の伊東は、昨年、不調のパソコンを電気屋に持ち込み修理を依頼した。
まもなく、自宅に電話がかかってきた。
「マイドキュメントに保存されている『ナースと乱パー』というデータが消える恐れがありますので、バックアップを取りましょうか?」
伊東もまた、見えないところで何をしているのかわからない男だったのだ!
さて、あなたのスカートの中やパソコンには、何の問題もありませんか?
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