わが家では、娘、夫、私の順にお風呂に入る。
早く寝なければならない娘が一番なのだが、中学生ともなると、「宿題が終わっていない」などの理由でなかなか入らない。そんな日は、夫、娘、私の順になる。つまり、私はいつも一番最後なのだ。
しかし、一昨日は違った。
「ママは疲れているみたいだから、たまには一番に入れば?」
眠そうな私を見て、夫が気を利かせてくれた。
「でも、私は半身浴をするから、50分くらいかかるんだけど」
「ミキはまだ宿題終わらないからいいよ。お母さん、先に入りなよ」
意外なことに、娘も私に一番風呂を勧めてきた。ならば、そうしよう。
そういえば、子供のときは、いつも最初に入っていた。
一番風呂は、体に悪いと言われる。水道水に含まれる塩素や、有害化学物質を取り込みやすいからだ。
しかし、タイルや壁がビショ濡れになっていることもなく、洗面器やイスが放置されてもおらず、実に快適である。
姫みたいでいいなぁ~♪
のんびりくつろいだあとは、少々本を読み、半身浴で汗を流した。極楽、極楽。
昨日も、夕食のあと、娘が一生懸命宿題をやっていた。
「まだ終わらないの? じゃあ、またお母さんが、一番にお風呂に入っちゃおうかな」
「ええー、また?」
快くオーケーすると思ったのに、その日、娘は渋い顔をした。
「じゃあ、すぐ入れるの?」
「……入れない。しょうがないな、お母さんが先でいいよ」
さては、姫の座を奪われると気づいたのか。しかし、そうは問屋がおろさない。
私は再び一番風呂につかり、姫というより将軍の「天下を取った」気分になった。
そして、今日も一番を狙ったのだが、娘に強く反対された。
「ダメ、ミキが一番だよ! お母さんが一番に入ると、お風呂が汚れちゃう!!」
「ハァ? 汚れちゃうって、何よそれ」
「湯船に髪の毛がいっぱい浮いてるんだよ、知らないの!?」
「知らないよ。でも、お父さんのあとよりきれいでしょ」
「全然。お父さんのあとのほうがきれいだよ」
「それは髪の毛がないからでしょ」
「違うの! 髪の毛だけじゃなくて、黒っぽいゴミなんかもあるんだよ。一番最後にして」
そう言うと、娘は私を押しのけて、あわてて風呂場に突進していった。
なんでぇ、いつもはノロノロしているくせに……。
そういえば、床に黒いゴミがついていたことがある。あれはおそらく、私がいつもはいている、黒のハイソックスから出た繊維だろう。
夫のあとよりも嫌がられるとは、かなりの屈辱である。
一時は、天下を取ったと思ったのだが。
明智光秀さえ3日続いたというのに、私はたった2日……。
今日からまた、下々の者に逆戻りだ。
そのうち、下克上を企ててやるぅ~!
楽しんでいただけましたか? クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
早く寝なければならない娘が一番なのだが、中学生ともなると、「宿題が終わっていない」などの理由でなかなか入らない。そんな日は、夫、娘、私の順になる。つまり、私はいつも一番最後なのだ。
しかし、一昨日は違った。
「ママは疲れているみたいだから、たまには一番に入れば?」
眠そうな私を見て、夫が気を利かせてくれた。
「でも、私は半身浴をするから、50分くらいかかるんだけど」
「ミキはまだ宿題終わらないからいいよ。お母さん、先に入りなよ」
意外なことに、娘も私に一番風呂を勧めてきた。ならば、そうしよう。
そういえば、子供のときは、いつも最初に入っていた。
一番風呂は、体に悪いと言われる。水道水に含まれる塩素や、有害化学物質を取り込みやすいからだ。
しかし、タイルや壁がビショ濡れになっていることもなく、洗面器やイスが放置されてもおらず、実に快適である。
姫みたいでいいなぁ~♪
のんびりくつろいだあとは、少々本を読み、半身浴で汗を流した。極楽、極楽。
昨日も、夕食のあと、娘が一生懸命宿題をやっていた。
「まだ終わらないの? じゃあ、またお母さんが、一番にお風呂に入っちゃおうかな」
「ええー、また?」
快くオーケーすると思ったのに、その日、娘は渋い顔をした。
「じゃあ、すぐ入れるの?」
「……入れない。しょうがないな、お母さんが先でいいよ」
さては、姫の座を奪われると気づいたのか。しかし、そうは問屋がおろさない。
私は再び一番風呂につかり、姫というより将軍の「天下を取った」気分になった。
そして、今日も一番を狙ったのだが、娘に強く反対された。
「ダメ、ミキが一番だよ! お母さんが一番に入ると、お風呂が汚れちゃう!!」
「ハァ? 汚れちゃうって、何よそれ」
「湯船に髪の毛がいっぱい浮いてるんだよ、知らないの!?」
「知らないよ。でも、お父さんのあとよりきれいでしょ」
「全然。お父さんのあとのほうがきれいだよ」
「それは髪の毛がないからでしょ」
「違うの! 髪の毛だけじゃなくて、黒っぽいゴミなんかもあるんだよ。一番最後にして」
そう言うと、娘は私を押しのけて、あわてて風呂場に突進していった。
なんでぇ、いつもはノロノロしているくせに……。
そういえば、床に黒いゴミがついていたことがある。あれはおそらく、私がいつもはいている、黒のハイソックスから出た繊維だろう。
夫のあとよりも嫌がられるとは、かなりの屈辱である。
一時は、天下を取ったと思ったのだが。
明智光秀さえ3日続いたというのに、私はたった2日……。
今日からまた、下々の者に逆戻りだ。
そのうち、下克上を企ててやるぅ~!
楽しんでいただけましたか? クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)