娘のミキが高校に入学した。入学式といえば、たいてい4月7日だが、今年は土曜日だったので、仕事を休むことなく出席することができた。
娘の学校では土曜日にも授業がある。昔のように、日曜日だけがお休みだ。
「受付をお願いします」
式場の体育館で、担当教員が声をかけてきた。名簿を見ると、男女別ではあるが、女子が先、男子が後というスタイルになっている。
珍しい……。
都立では、男女混合名簿が多いので、女子先男子後名簿が新鮮だった。
この学校は野球部が強いためか、男子が6~7割を占めている。少数派の女子が、少しでも居心地よく過ごせるようにとの配慮かもしれない。
「新入生の入場です。拍手でお迎えください」
A組の担任に先導されて、出席番号1番の女子が歩いてくる。素直で穏やかな印象だ。次々と女の子たちが通り過ぎていったが、どの子も目が澄んでおり、人柄がよさそうに見える。
第一希望ではなかったけれど、「この学校でよかったかも」との想いを強くし、さらに大きな拍手を送った。
全員が入場すると、「開式の辞」となり、式典が進行する。
都立では、そのあとに「国歌斉唱」が続くのだが、この高校では「国歌演奏」としており、歌う必要がない。教員の不起立問題や、生徒の反発などが懸念されるデリケートな部分だから、ここでも参列者への配慮を感じた。
柔軟で、いい学校かもしれない。
学校にもそれぞれ個性があるが、この高校と私との相性はよさそうだ。「入学許可」、「学校長式辞」、「来賓祝辞」にあとは、「新入生宣誓」である。
私はこの瞬間が来ると、20ウン年前に入学した高校で、自分が「新入生 誓いの言葉」を読んだことを思い出す。姉と同じ高校だったし、母親がPTAの役員だったから、頼みやすかったのだろう。
当時を回想し、しばし思い出に浸ってみる。
あのときは突然、担任と名乗る教員から電話があり、入学式の前日に「練習に来てほしい」と言われ、大変ショックを受けた。
私だけ、春休みが1日短い!!
前日、私はひと足早く制服に袖を通し、ウンザリしながら登校した。担任の指導の下、文面を考え奉書紙に清書し、読む練習をしたら、半日がかりの大仕事である。他の子は、最後の春休みを楽しんでいるのに、差がありすぎる。
しかし、いくら練習をしても、当日はやっぱり緊張するし、不安で仕方ない。何とか無事に終わったあとは、近所に住む子からとどめを刺された。
「昨日、砂希ちゃんが制服着て、出かけるところを見たんだよね。一日間違えてるのかと思ってた」
さんざん苦労したあとは、濡れ衣を着せられていたとわかり、いいことはひとつもなかったのだ。
「新入生宣誓」
娘と同じクラスの女子が、代表で壇上に上がる。奉書紙のこすれる音に続き、明るいアルトの声が響き渡る。この子もしっかり練習し、本番に臨んでいるに違いない。ほんの5分のために、何時間もかけた成果の見える、いい宣誓だった。「よくやったね」と、心の中でねぎらいの言葉をかけた。
入学式が終わり、新入生が退場すると、PTAから委員募集の話がある。小学校、中学校では、「逃さないわよ」という迫力が感じられたが、ここは「よかったらどうぞ~」という雰囲気で、圧迫感がない。不思議なもので、そうなると、何かやってみたくなってくる。ママさん仲間がいれば、PTA活動にも張りができそうだ。
「友達いっぱいできたよ! みんな面白くていい子ばっか」
帰ってくるなり、娘が興奮気味に話す。
もう一度、宣誓したくなってきた。
親子ともに、楽しく高校生活が送れるよう、努力することを誓います!
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
娘の学校では土曜日にも授業がある。昔のように、日曜日だけがお休みだ。
「受付をお願いします」
式場の体育館で、担当教員が声をかけてきた。名簿を見ると、男女別ではあるが、女子が先、男子が後というスタイルになっている。
珍しい……。
都立では、男女混合名簿が多いので、女子先男子後名簿が新鮮だった。
この学校は野球部が強いためか、男子が6~7割を占めている。少数派の女子が、少しでも居心地よく過ごせるようにとの配慮かもしれない。
「新入生の入場です。拍手でお迎えください」
A組の担任に先導されて、出席番号1番の女子が歩いてくる。素直で穏やかな印象だ。次々と女の子たちが通り過ぎていったが、どの子も目が澄んでおり、人柄がよさそうに見える。
第一希望ではなかったけれど、「この学校でよかったかも」との想いを強くし、さらに大きな拍手を送った。
全員が入場すると、「開式の辞」となり、式典が進行する。
都立では、そのあとに「国歌斉唱」が続くのだが、この高校では「国歌演奏」としており、歌う必要がない。教員の不起立問題や、生徒の反発などが懸念されるデリケートな部分だから、ここでも参列者への配慮を感じた。
柔軟で、いい学校かもしれない。
学校にもそれぞれ個性があるが、この高校と私との相性はよさそうだ。「入学許可」、「学校長式辞」、「来賓祝辞」にあとは、「新入生宣誓」である。
私はこの瞬間が来ると、20ウン年前に入学した高校で、自分が「新入生 誓いの言葉」を読んだことを思い出す。姉と同じ高校だったし、母親がPTAの役員だったから、頼みやすかったのだろう。
当時を回想し、しばし思い出に浸ってみる。
あのときは突然、担任と名乗る教員から電話があり、入学式の前日に「練習に来てほしい」と言われ、大変ショックを受けた。
私だけ、春休みが1日短い!!
前日、私はひと足早く制服に袖を通し、ウンザリしながら登校した。担任の指導の下、文面を考え奉書紙に清書し、読む練習をしたら、半日がかりの大仕事である。他の子は、最後の春休みを楽しんでいるのに、差がありすぎる。
しかし、いくら練習をしても、当日はやっぱり緊張するし、不安で仕方ない。何とか無事に終わったあとは、近所に住む子からとどめを刺された。
「昨日、砂希ちゃんが制服着て、出かけるところを見たんだよね。一日間違えてるのかと思ってた」
さんざん苦労したあとは、濡れ衣を着せられていたとわかり、いいことはひとつもなかったのだ。
「新入生宣誓」
娘と同じクラスの女子が、代表で壇上に上がる。奉書紙のこすれる音に続き、明るいアルトの声が響き渡る。この子もしっかり練習し、本番に臨んでいるに違いない。ほんの5分のために、何時間もかけた成果の見える、いい宣誓だった。「よくやったね」と、心の中でねぎらいの言葉をかけた。
入学式が終わり、新入生が退場すると、PTAから委員募集の話がある。小学校、中学校では、「逃さないわよ」という迫力が感じられたが、ここは「よかったらどうぞ~」という雰囲気で、圧迫感がない。不思議なもので、そうなると、何かやってみたくなってくる。ママさん仲間がいれば、PTA活動にも張りができそうだ。
「友達いっぱいできたよ! みんな面白くていい子ばっか」
帰ってくるなり、娘が興奮気味に話す。
もう一度、宣誓したくなってきた。
親子ともに、楽しく高校生活が送れるよう、努力することを誓います!
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)