先日、埼玉県の日高市まで出かけてきた。
高麗という地名をご存じだろうか。日本史で学んだ高句麗が名前の由来というが、「こうらい」ではなく「こま」と読む。近くには水の澄んだ高麗川が流れ、緑に囲まれた田園風景が続いていた。池袋から特急を使わなくても1時間ほどなので、コンクリートジャングルに疲れ、ちょっとリフレッシュしたいときにはおススメしたい場所だ。
見どころスポットはいくつもあるが、私は駅から数分の場所にある「高麗村石器時代住居跡」を推したい。
ここでは、昭和4年に縄文時代中期のヒョウタン形をした住居が発掘されたそうだ。
1号炉のある北側が作業場で、2号炉のある南側を生活の場としていたと、掲示板に書かれていた。2号炉の周辺には、さらに2カ所の炉跡があり、3回ほど住居を立て直したことが確認できたという。
埼玉県では初めて、全国でも7例目の竪穴式住居の発見となり、当時の話題性が伺えた。
現在では、この住居跡は建てられた時期が異なる2軒の住居の一部が重複して、ヒョウタン形になったと考えられているようだ。それぞれの住居は径6mの円形というから、大豪邸ではないとしても、家族が身を寄せ合って睦まじく暮らしていたと察した。
「いいなあ、娯楽がなくても楽しそう」
大昔の遺跡に惹かれる理由は、DNAに刻まれた過去に戻ろうとするからなのだろうか。
ほのぼのとして、足取り軽く帰りの電車に乗った。
ところで、今の若者は「昭和」に萌える年代なのだそうな。
「明日はね、昭和を再現したカフェに行ってくるから。楽しみ!」
20代の娘と話をしていたら、弾んだ声でそんなことを言っていた。口コミで聞いてはいたけれど、どうにもピンとこない。
昭和? 昭和ねぇ……。
そのカフェの写真を見ると、畳の上のちゃぶ台や、壁の色、緑色のクリームソーダなどに子ども時代を思い出した。壁にはキラキラした素材が含まれていて、何でできているのかと不思議に感じたものだ。
「どう? この画像、いいと思わない?」
「うーん。小さいころからさんざん見たし。この頃は貧しかったから、わくわくすることもないね」
「そんなもん?」
「そりゃ、江戸時代の家屋だったら、いいと思うけど」
短い会話のあとは、もやもやとした気分になった。私が江戸時代や縄文時代に興味を持つように、平成や令和生まれの若者が、昭和時代に関心を寄せているということなのだろう。竪穴式住居ならぬ、昭和式住居が人気ってわけか。
「……そんな年齢なのかな」
理屈でも感覚でも拒否したい気持ちになる反面、努力すれば夢が叶った戦後の昭和に生まれ育ったことは、恵まれていたという気もする。
「楽しかった。これ、写真だよ」
ああ、たしかに昭和だ。
あと30年もしたら「砂希ばあちゃん、昭和の頃の話をして」などと頼まれることになるのだろうか。
ますます、もやもやしてきた。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
高麗という地名をご存じだろうか。日本史で学んだ高句麗が名前の由来というが、「こうらい」ではなく「こま」と読む。近くには水の澄んだ高麗川が流れ、緑に囲まれた田園風景が続いていた。池袋から特急を使わなくても1時間ほどなので、コンクリートジャングルに疲れ、ちょっとリフレッシュしたいときにはおススメしたい場所だ。
見どころスポットはいくつもあるが、私は駅から数分の場所にある「高麗村石器時代住居跡」を推したい。
ここでは、昭和4年に縄文時代中期のヒョウタン形をした住居が発掘されたそうだ。
1号炉のある北側が作業場で、2号炉のある南側を生活の場としていたと、掲示板に書かれていた。2号炉の周辺には、さらに2カ所の炉跡があり、3回ほど住居を立て直したことが確認できたという。
埼玉県では初めて、全国でも7例目の竪穴式住居の発見となり、当時の話題性が伺えた。
現在では、この住居跡は建てられた時期が異なる2軒の住居の一部が重複して、ヒョウタン形になったと考えられているようだ。それぞれの住居は径6mの円形というから、大豪邸ではないとしても、家族が身を寄せ合って睦まじく暮らしていたと察した。
「いいなあ、娯楽がなくても楽しそう」
大昔の遺跡に惹かれる理由は、DNAに刻まれた過去に戻ろうとするからなのだろうか。
ほのぼのとして、足取り軽く帰りの電車に乗った。
ところで、今の若者は「昭和」に萌える年代なのだそうな。
「明日はね、昭和を再現したカフェに行ってくるから。楽しみ!」
20代の娘と話をしていたら、弾んだ声でそんなことを言っていた。口コミで聞いてはいたけれど、どうにもピンとこない。
昭和? 昭和ねぇ……。
そのカフェの写真を見ると、畳の上のちゃぶ台や、壁の色、緑色のクリームソーダなどに子ども時代を思い出した。壁にはキラキラした素材が含まれていて、何でできているのかと不思議に感じたものだ。
「どう? この画像、いいと思わない?」
「うーん。小さいころからさんざん見たし。この頃は貧しかったから、わくわくすることもないね」
「そんなもん?」
「そりゃ、江戸時代の家屋だったら、いいと思うけど」
短い会話のあとは、もやもやとした気分になった。私が江戸時代や縄文時代に興味を持つように、平成や令和生まれの若者が、昭和時代に関心を寄せているということなのだろう。竪穴式住居ならぬ、昭和式住居が人気ってわけか。
「……そんな年齢なのかな」
理屈でも感覚でも拒否したい気持ちになる反面、努力すれば夢が叶った戦後の昭和に生まれ育ったことは、恵まれていたという気もする。
「楽しかった。これ、写真だよ」
ああ、たしかに昭和だ。
あと30年もしたら「砂希ばあちゃん、昭和の頃の話をして」などと頼まれることになるのだろうか。
ますます、もやもやしてきた。
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
昭和の写真の中に「CREATION」のポスターを見えて嬉しかったです~😉
と経験者は思いますがw
でも子どもの頃と比べてもすごく差があるので、
若い子ならそうなのでしょうか。
懐かしのペナント!手軽なお土産でした。
日高市は結構見どころスポットがありますよね。
遺跡は地図から見つけました。
小さなところですから、人が押し寄せることもないかと……。
お好きなアーティストだったのでしょうか。
私は脚の短い文机に昭和を感じました。
昭和ってそんなに昔じゃないって思いですよね。
萌えられても戸惑うだけ。
ペナントは流行りだったのかしら。
今はどこに行ったの~(笑)
昭和の服装や髪形も時代を感じる一コマみたいです。
やっぱりモヤモヤ。
もう懐かしい時代になったんですね。
僕らにとっては「大正」ってカンジなのかな?
「はいからさんが通る」や「サクラ大戦」。
実際は別にして、ちょっと怪奇が似合う時代というイメージですが、娘さんにとっては「昭和」がそうなのでしょう。
僕自身も近年のアニメを見て、作画は段違いに綺麗だけど、「昭和」のアニメはいろんな挑戦があったように思いやっぱり好きですわ。
私たちから見ると、大正は大昔ですね(笑)
平成が短かったから、昭和であれば戦後でもレトロなのかも。
戦前の昭和はどう見えるのかしら。
漫画とアニメは昭和の職人芸が一番だと思います。
最近はデジタル化が進みすぎて味気ないかな~。
昭和100年なんて行事が予定されていると知らなかった(笑)
テレビを見ない間にそんな企画が持ち上がっているとは。
お父様は家具職人だったんですね。
息子は蕎麦職人で、ものつくり一家なのかも。
箸の持ち方は子供のうちに直さないと、大人になってから困ると思います。
外国人の方が上手に使えたりして。
箸が正しく持てない人は、鉛筆の持ち方もおかしい(笑)