毎年、天皇誕生日に親族と一緒にクリスマスを祝っている。
「こんばんはぁ。遅くなっちゃってゴメンね」
18時に妹の家に集合するはずが、必死でテリーヌやコロッケを作り、果物を切っていたら30分も遅刻してしまった。
「いいよ~。こっちもまだ準備中だから」
妹が笑いながら答えた。すでに両親や姉は着いており、料理作りの手伝いをしている。出前で楽にすませるよりも、全員参加で宴会の支度をするほうが盛り上がる。
この日は義兄が来られなかったので、集まったのは10人だ。ミートパイを焼いたはいいが、「何に入れて持っていけばいいんだ」と悩んだ。シンプルな重箱が見つかってよかった。

グラタンはオーブントースターを借りて焼く。

今年は奮発してカニ爪入り。焼き立てのアツアツを食べさせたい。
「できたね。じゃあ、乾杯しよう」
「メリークリスマス!」
義弟が新しい料理に挑戦した。春巻きの皮に、マヨコーンやポテト、ベーコン、トマトなどを載せて焼く「春巻きピザ」とでもいえばいいのだろうか。
「軽くて美味しい!」
「イケる!」
評判は上々だった。妹の焼いたチキンも美味しかったし、姉が用意したシャンパーニュもキリッとした味でよかった。母は相変わらず「煮卵」や「茄子の煮浸し」といった、クリスマス外の料理を用意していたが、娘が「1個ちょうだい」と手を出し顔を立てていた。私も食べようかと思ったが、お腹が苦しくてとてもとても。
「じゃあ、ケーキにしようか」
「うん」
ケーキを選んだのは娘である。生クリームが苦手だから、なるべく使っていないものを探したらしい。
イチゴのムースが入った「ノエル・ビジュー」と

チョコの切り株ケーキをサンタの家に見立てた「ブッシュの森の家」である。

「わあ、可愛い」
「キレイだねぇ」
「そのリボンはホワイトチョコレート?」
親族の反応はよかった。しかし、ろうそくを立てようとしたら、チョコのコーティングが硬くて、切り株には刺さらなかった。やむなく諦める。
「で、どうやって切るの?」
「うーん」
個性派ケーキは扱いが難しい。均等に分けることは無理だし、ドアやサンタといったケーキ以外の小物も、誰かに食べてもらわなくてはいけない。

「まあ、適当に切るよ」
ケーキを切るのは私の役目だ。飲み過ぎてグダグダになった年もあったが、時間になればすっくと立ち上がり、無意識に包丁を持って切り分けていた。自分でも、なぜだかわからない。
「小さいのは私たちのだから」
職権乱用で、2個は私と姉用に小さめに切る。10代までは、なるべく大きなピースを探したというのに、変われば変わるものだ。ホワイトチョコレートのリボンは義弟に、ツリーは妹に、ドアは母に、チョコのプレートは姪に、サンタは甥に、輪は夫に、すばやく振り分ける。もちろん、私と姉におまけはない。
だって、カロリーオーバーが怖いも~ん!
「ズルすぎ」
娘がブーブー言っていたが、知らん顔を決め込んだ。切り株は薪のように縦割りにする。でも、輪切りにしてブッシュドノエル風にしたほうがよかったかもしれない。まあよい。食べてしまえば同じだ。
「甘すぎなくていいね」
見た目だけでなく味もよかった。私が作ったわけではないけれど、用意したものを「美味しい」と言ってもらえると嬉しい。
さて、天皇陛下の退位については記憶に新しく、来年が最後の天皇誕生日となる。12月23日が祝日として残るかどうか、わが家にとっては大きな問題だ。
絶対、ぜぇったい、残してほしい。クリスマス会は続けたいもの。
クリスマスイヴイヴ、もとい「平成の日」なんてどうよ?

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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「こんばんはぁ。遅くなっちゃってゴメンね」
18時に妹の家に集合するはずが、必死でテリーヌやコロッケを作り、果物を切っていたら30分も遅刻してしまった。
「いいよ~。こっちもまだ準備中だから」
妹が笑いながら答えた。すでに両親や姉は着いており、料理作りの手伝いをしている。出前で楽にすませるよりも、全員参加で宴会の支度をするほうが盛り上がる。
この日は義兄が来られなかったので、集まったのは10人だ。ミートパイを焼いたはいいが、「何に入れて持っていけばいいんだ」と悩んだ。シンプルな重箱が見つかってよかった。

グラタンはオーブントースターを借りて焼く。

今年は奮発してカニ爪入り。焼き立てのアツアツを食べさせたい。
「できたね。じゃあ、乾杯しよう」
「メリークリスマス!」
義弟が新しい料理に挑戦した。春巻きの皮に、マヨコーンやポテト、ベーコン、トマトなどを載せて焼く「春巻きピザ」とでもいえばいいのだろうか。
「軽くて美味しい!」
「イケる!」
評判は上々だった。妹の焼いたチキンも美味しかったし、姉が用意したシャンパーニュもキリッとした味でよかった。母は相変わらず「煮卵」や「茄子の煮浸し」といった、クリスマス外の料理を用意していたが、娘が「1個ちょうだい」と手を出し顔を立てていた。私も食べようかと思ったが、お腹が苦しくてとてもとても。
「じゃあ、ケーキにしようか」
「うん」
ケーキを選んだのは娘である。生クリームが苦手だから、なるべく使っていないものを探したらしい。
イチゴのムースが入った「ノエル・ビジュー」と

チョコの切り株ケーキをサンタの家に見立てた「ブッシュの森の家」である。

「わあ、可愛い」
「キレイだねぇ」
「そのリボンはホワイトチョコレート?」
親族の反応はよかった。しかし、ろうそくを立てようとしたら、チョコのコーティングが硬くて、切り株には刺さらなかった。やむなく諦める。
「で、どうやって切るの?」
「うーん」
個性派ケーキは扱いが難しい。均等に分けることは無理だし、ドアやサンタといったケーキ以外の小物も、誰かに食べてもらわなくてはいけない。

「まあ、適当に切るよ」
ケーキを切るのは私の役目だ。飲み過ぎてグダグダになった年もあったが、時間になればすっくと立ち上がり、無意識に包丁を持って切り分けていた。自分でも、なぜだかわからない。
「小さいのは私たちのだから」
職権乱用で、2個は私と姉用に小さめに切る。10代までは、なるべく大きなピースを探したというのに、変われば変わるものだ。ホワイトチョコレートのリボンは義弟に、ツリーは妹に、ドアは母に、チョコのプレートは姪に、サンタは甥に、輪は夫に、すばやく振り分ける。もちろん、私と姉におまけはない。
だって、カロリーオーバーが怖いも~ん!
「ズルすぎ」
娘がブーブー言っていたが、知らん顔を決め込んだ。切り株は薪のように縦割りにする。でも、輪切りにしてブッシュドノエル風にしたほうがよかったかもしれない。まあよい。食べてしまえば同じだ。
「甘すぎなくていいね」
見た目だけでなく味もよかった。私が作ったわけではないけれど、用意したものを「美味しい」と言ってもらえると嬉しい。
さて、天皇陛下の退位については記憶に新しく、来年が最後の天皇誕生日となる。12月23日が祝日として残るかどうか、わが家にとっては大きな問題だ。
絶対、ぜぇったい、残してほしい。クリスマス会は続けたいもの。
クリスマスイヴイヴ、もとい「平成の日」なんてどうよ?

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