これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

フカヒレ愛

2020年07月12日 21時41分49秒 | エッセイ
 たまにはリッチに、フカヒレ姿煮を食べたいと思った。
「あっ、生協にあるじゃん。買っちゃえ」



 たしか5月半ばだった気がする。外出自粛、テレワーク推奨で生協の個配に注文が殺到し、数量制限が始まった頃だったから……。
「うそー、1個しかない」
 わが家は3人家族なのに、数量制限のため、フカヒレは1人分しか届かず困った。小さな姿煮を3等分したところで、食べたことにはならないだろう。
「また、カタログに載るかな。待ってみよう」
 1個ずつしか買えなくても、3巡すれば人数分揃う計算だったのに、待てど暮らせどカタログにはない。気づけばもう7月を過ぎている。いい加減、フカヒレにありつきたい。
「もう待てない。ネットで探してみよう」
 フカヒレを扱う店はたくさんあったが、品数が多くて商品説明が充実している古樹軒というところがよさそうに見えた。
「えーと、生協のと同じで、胸びれにしよう」
 ケンカをする年齢ではないけれど、家族が仲良く食べられるように、できるだけ似たようなものを買ったつもりだった。左端の生協の品に比べると、ちょっと小さかったかな……。



「まあいいや。コスパは悪くないし」
 しかし、ここで私はミステイクをする。生協の商品が冷凍だったので、つられて常温商品である古樹軒のフカヒレも冷凍庫に入れたのだ。商品説明を読み、間違えに気づいた。
「あれっ、凍結させると品質低下とか何とか書いてある。ヤバい」
 5時間後、急いで常温に戻したが、果たしてお味の方はどうか。青梗菜ともやしを炒め、煮込んだフカヒレに添えて食卓に並べた。



「うま~」
 大丈夫、大丈夫。まろやかなスープにとろけるようなフカヒレが絡み、適度な歯ごたえを楽しみながら、美味しくいただくことができた。
 都内のコロナ感染者数は、連続で200人超えの日が続いている。
 外出するのは怖いから、また注文しようかな。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (6)
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