夕飯を終え、お風呂の時間までひと休みしていたときだった。
「あれえ」
冷たい飲み物を取りに冷蔵庫まで行くと、足元に木の枝のようなものが見えた。拾おうと手を伸ばすと、スルスルッと動き出す。どうやら枝ではなかったようだ。
「ヤモリ?」
小さなそれは、音もなく床を移動し、コーヒーミルの箱に上り始めた。
足が吸盤のようになっているのだろう。抜群の安定感で上り切る。ヤモリにとっては「屋上」なのかもしれない。
箱のフタが、ほんのちょっと開いていたせいか、ヤモリが入ろうとしている。
すき間に頭を突っ込んで、「エイエイッ」と頑張ったようだが、フタは開かなかったようだ。
前足と後ろ足を踏ん張り、力いっぱいトライしていた様子が愛らしい。
私が近くにいても、まったく気にならないようだ。逃げるでもなく、警戒するでもなく、マイペースに行動している。フタの中に入ることは諦め、ヤモリは屋上を歩き始めた。
見晴らしはよかったのかしら……。
箱の反対側から下りたのか、しばらくすると床の別の場所を歩く姿が見えた。食器棚の前を通過したところで見失い、いなくなった。どこかに通路があるのかもしれない。
「まだ子どものヤモリかな? 可愛かったわぁ」
ヤモリは家守、つまり、家の守り神と言われることもある。こんな小さな子に守ってもらうのは気が引けるけど……。
今日は日曜日。おやつの時間はミルで豆を挽き、マンデリンフレンチをいれるつもりだった。準備をしつつ、箱を開ける手が止まる。
「えーと、ヤモリさん、いないよね?」
用心して中を確認したが、それらしいものは見当たらなかった。当たり前か。
今度会えたら、もっと大きくなっているかな。
↑
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「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「あれえ」
冷たい飲み物を取りに冷蔵庫まで行くと、足元に木の枝のようなものが見えた。拾おうと手を伸ばすと、スルスルッと動き出す。どうやら枝ではなかったようだ。
「ヤモリ?」
小さなそれは、音もなく床を移動し、コーヒーミルの箱に上り始めた。
足が吸盤のようになっているのだろう。抜群の安定感で上り切る。ヤモリにとっては「屋上」なのかもしれない。
箱のフタが、ほんのちょっと開いていたせいか、ヤモリが入ろうとしている。
すき間に頭を突っ込んで、「エイエイッ」と頑張ったようだが、フタは開かなかったようだ。
前足と後ろ足を踏ん張り、力いっぱいトライしていた様子が愛らしい。
私が近くにいても、まったく気にならないようだ。逃げるでもなく、警戒するでもなく、マイペースに行動している。フタの中に入ることは諦め、ヤモリは屋上を歩き始めた。
見晴らしはよかったのかしら……。
箱の反対側から下りたのか、しばらくすると床の別の場所を歩く姿が見えた。食器棚の前を通過したところで見失い、いなくなった。どこかに通路があるのかもしれない。
「まだ子どものヤモリかな? 可愛かったわぁ」
ヤモリは家守、つまり、家の守り神と言われることもある。こんな小さな子に守ってもらうのは気が引けるけど……。
今日は日曜日。おやつの時間はミルで豆を挽き、マンデリンフレンチをいれるつもりだった。準備をしつつ、箱を開ける手が止まる。
「えーと、ヤモリさん、いないよね?」
用心して中を確認したが、それらしいものは見当たらなかった。当たり前か。
今度会えたら、もっと大きくなっているかな。
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