今年の母の日は、伊坂幸太郎の本がプレゼントだった。
読んだことのある作品ばかりだが、再読したいリストを作っておいたら、娘が選んで注文してくれたのだ。
「わあ、うれしい! こんなにいっぱい」
すっかり気をよくして、お返しに何かしたくなる。
「そうだ、久しぶりにパンを焼こうか」
「さんせーい!」
焼き立てのパンは美味しい。
「お腹いっぱい。ごちそうさま」
この調子で、素敵な母の日になるはずだったのだが、そうはならなかった。
娘が花瓶を見ながら、私に話しかけてきた。
「お母さん、お父さんからもらったカーネーション、一輪挿しに移した方がいいんじゃないの」
夫が気を利かせて花瓶を探してきたはいいが、少々大きかったようだ。
「そうね、前にミキからもらったのがあったし」
あれは3年前の母の日か。白地に青の模様の入った、洒落た一輪挿しを娘に買ってもらったのだっけ。それを使えと言いたいのだろう。
「えーと、えーと。どこにしまったっけ」
困ったことに、まったく記憶がない。2年前にもガーベラを活けたおぼえはあるが、その後は行方不明だ。
「なくしたの?」
「いーや、どこかにあるはず」
娘の機嫌が悪くなってきた。これはまずい。
しかし、心当たりを探してみてもそれらしいものがない。そもそも、箱に入れておいたのか、箱から出したのか、それすら記憶にない。こんなことで見つけられるとは思えない。
「大丈夫、絶対見つかるから」
気まずい空気を払拭すべく、夕飯づくりを始めた。
そういえば、先日、夫が買ったばかりのテレビのリモコンを、不燃ごみに入れたことがあったっけ。間違えて捨てられていたら、もう取り戻せないが、その可能性は低い。おそらく、私がしまった場所を忘れただけなのだ。
それにしても、あるはずのものが見つからないという状況は、非常に心地悪い。何としても解決したい。さほど大きなものではないから、3階の収納庫、2階の押し入れ等々を本格的に整頓して探し出そう。そう決めた。
しばらく、週末は一輪挿しの発掘にあてるしかなさそうだ。
伊坂さんは、そのあとにしよう。
とんだ母の日?
いえいえ、片づけの機会をもらってよかった。
そう考えなくちゃ。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
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すっかり気をよくして、お返しに何かしたくなる。
「そうだ、久しぶりにパンを焼こうか」
「さんせーい!」
焼き立てのパンは美味しい。
「お腹いっぱい。ごちそうさま」
この調子で、素敵な母の日になるはずだったのだが、そうはならなかった。
娘が花瓶を見ながら、私に話しかけてきた。
「お母さん、お父さんからもらったカーネーション、一輪挿しに移した方がいいんじゃないの」
夫が気を利かせて花瓶を探してきたはいいが、少々大きかったようだ。
「そうね、前にミキからもらったのがあったし」
あれは3年前の母の日か。白地に青の模様の入った、洒落た一輪挿しを娘に買ってもらったのだっけ。それを使えと言いたいのだろう。
「えーと、えーと。どこにしまったっけ」
困ったことに、まったく記憶がない。2年前にもガーベラを活けたおぼえはあるが、その後は行方不明だ。
「なくしたの?」
「いーや、どこかにあるはず」
娘の機嫌が悪くなってきた。これはまずい。
しかし、心当たりを探してみてもそれらしいものがない。そもそも、箱に入れておいたのか、箱から出したのか、それすら記憶にない。こんなことで見つけられるとは思えない。
「大丈夫、絶対見つかるから」
気まずい空気を払拭すべく、夕飯づくりを始めた。
そういえば、先日、夫が買ったばかりのテレビのリモコンを、不燃ごみに入れたことがあったっけ。間違えて捨てられていたら、もう取り戻せないが、その可能性は低い。おそらく、私がしまった場所を忘れただけなのだ。
それにしても、あるはずのものが見つからないという状況は、非常に心地悪い。何としても解決したい。さほど大きなものではないから、3階の収納庫、2階の押し入れ等々を本格的に整頓して探し出そう。そう決めた。
しばらく、週末は一輪挿しの発掘にあてるしかなさそうだ。
伊坂さんは、そのあとにしよう。
とんだ母の日?
いえいえ、片づけの機会をもらってよかった。
そう考えなくちゃ。
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